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故郷巡りカリフォルニアへ=マンザナー、咸臨丸水夫墓地など

マンザナー強制収容所の監視塔のレプリカ(2013年撮影、(Nandaro, from Wikimedia Commons))

マンザナー強制収容所の監視塔のレプリカ(2013年撮影、(Nandaro, from Wikimedia Commons))

 県連主催の第50回移民のふるさと巡りが来年4月9日から17日まで開催され、今回は米国カリフォルニアを訪れる。
 9日に出発し、10日にロサンゼルス着。サンタモニカ、リトル東京、全米日系人博物館、グリフィス天文台を訪れる。
 11日はチャイニーズシアター、ロスのジャパン・ハウス、ビバリーヒルズなどを観光する。
 12日は大戦中に日本移民が強制収容されたことで知られるマンザナーを訪れ、仏式法要。強制収容時のことを展示する博物館を見学する。
 13日はヨセミテ国立公園。「ジャイアント・セコイア」という世界一体積が大きくなる木があることで有名。樹高は80メートル以上、樹齢の最高記録は3千年以上になるという。
 14日はサンフランシスコ観光。ツインピークス、ゴールデンブリッジの他、コルマ日本人共同墓地も訪れる。幕末に勝海舟や福沢諭吉を乗せた咸臨丸がサンフランシスコにやってきたが、その時に現地で亡くなった水夫がおり、ここに葬られた。その墓や咸臨丸の記念碑があるという。
 なお、18年はハワイ移住150周年だったが、来年はアメリカ本土移住150周年に当たる。1869年、カリフォルニア州産フランシスコちかくのゴールド・ヒルに、会津藩の藩士を中心とした「若松コロニー」ができた。これが米本土初の日本人移住地。だが今回のツアーでは立ち寄らないという。
 詳細の問い合わせ、申し込みはクイックリートラベル(11・2198・8588)まで。
 

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 今回の県連故郷巡りが訪れる米国カリフォルニア州のマンザナー日系人強制収容所は、ブラジルにも支部がある「國誠流」詩吟が生まれた場所でもある。初代宗家は幼い頃から槍や詩吟、琵琶を自宅で嗜み、17、8歳の頃オペラ歌手を目指して米国に留学。同収容所に入所したのは1942年頃。43年に撮影された同会の写真には、およそ300人の会員が写っている。これが現在の国誠流の前身となったとか。宗家は1〜2年ほど滞在後、日本に強制送還されたが、収容所で生まれた吟士たちは活動を継続。米国、カナダやハワイなどに70支部を誇る国際的な流派になった。そんな北米日系人の苦難の地を訪ねるのも興味深い。

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