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JICA=帰国報告会で6人が発表=斉藤所長「変化に屈しない人材に」

来年1月に帰国する2016年第3次隊

来年1月に帰国する2016年第3次隊

 来年1月に帰国する国際協力機構(JICA)の2016年第3次日系社会ボランティア6人の帰国報告会が13日、市内の同事務所で行われ、各地で奮闘した2年間の活動成果が発表された。
 「私に出来ることは何か。果たして、期待に応えることができているのか常に不安だった」――ブラガンサ・パウリスタ連合会日本人会に青少年活動で参加した角野美月さんはこう振返った。その問い掛けは全隊員に共通したものだ。
 ボランティア活動は成果を明確に評価できる類のものでなく、各人は何が出来るのかを自問自答し、創意工夫を凝らして独自の活動をしてきた。
 グアララペス日伯文化協会で野球指導した大見翔さんは、「『本気で野球する』を実践すると部員が離れていくことも。一年目はモチベーションが無くならないよう、楽しんでもらうことを重視した」と話す。
 「目標を設定することで行動力も磨かれ、仲間意識が強まっていった。練習場所が居場所に変化した。練習でミスしても笑って誤魔化すことがなくなった。大会という目標に向けて選手も本気になった」と振返った。
 アマゾニア日伯援護協会厚生ホームで高齢者介護にあたった藤本省三さんは、「伯国では介護技術が未発達。文化習慣が全く異なる環境で四苦八苦した」と笑い飛ばす。だが「介護技術という表面的なものでなく、その根底にある思いやりや心配りを知って欲しいと願って、地道に職員の意識改革をやってきた」と話す。実際、藤本さんが始めた月一回の勉強会は継続され、施設内の清掃習慣、食事摂取量記録なども定着したそうだ。
 その他、日本語教師として派遣された菅谷真衣さん(ソロカバ日伯文化体育協会UCNS日本文化センター)、武井あゆみさん(マウア文化体育協会日本人学校)、平居弘章さん(マリアルバ文化体育協会日本人学校)が各々発表した。
 菅谷さんは「他の教員はレベルが高く、私は単なるマンパワー(労働力)だったかもしれない。でも、生徒の心に種を撒くことができたかも」と話し、生徒の成長ぶりを紹介。教師勉強会を設立し、後進育成に努めた武井さんは、「ボランティアが居ないと続いていかない現状にある。現地での教師育成は今後も課題」と総括。平居さんは「会話の授業強化に取組んだ。幼児部、夜間クラスを開講した」と語り、活動を紹介した。
 最後に、JICA伯事務所の斉藤顕生所長が講評。「ボランティアにはマニュアルもない。時と状況、相手によってその在り方は代わってくる。創意工夫を重ね、予想外の事態に対応してこられた皆さんは、状況変化に屈しない人に成長したのでは」と労苦を労った。
 在日伯人子弟の教育支援について同機構内で検討が進められていることに触れ、「JICAの動向に気を配って、今後も協力して欲しい」と期待を寄せた。

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