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アバンセ=日系人の障害者雇用を模索=日本で両親を介護する道も=最大手、4千日系人を雇用

来社した林社長(中央)と同社の社員ら

来社した林社長(中央)と同社の社員ら

 「『身内に障害者がいてデカセギに行けない』、『ブラジルに置いてきた両親が心配』っていう日系人の声を聞くんですよね。少しでもその役立てれば」――日本で人材派遣などを行う株式会社アバンセホールディングス(以下アバンセ、本社=愛知県一宮市)の林隆春社長が来社し、思いを語った。同社はグループ全体で約4千人の日系人を雇用しており、日本国内で最大手といわれる。現在では老人福祉や介護などの事業も手がけて多角化しているが、もともとデカセギ派遣事業を主軸にしていただけあって、日系社会への理解は深い。そこから日系人の障害者雇用などの発想が生まれたようだ。

 日本では昨年4月から、民間企業における障害者の法定雇用率が2%から2・2%になり、そこから3年以内に2・3%に引き上げられる。常時雇用者が1千人の会社なら2・2%の時は22人、2・3%なら23人の障害者を雇用しなければならない訳だ。

 そこでアバンセでは、日本人障害者を雇用する会社は日本にたくさんあるから、ブラジルの障害者を雇用できないかと考えた。「日系人の中には身内に障害者がいてデカセギに行けない人もいる。この制度を利用すれば、その人たちも働ける。うちで雇用することも可能です」と同グループ傘下アバンセライフサポートの天野修一事業部長は説明する。

 また、在日伯人社会は平均年齢が40代となり、ブラジルに置いてきた両親の介護を案ずる声が増えているという。そのような人達に向け、両親を日本に呼び寄せ日本の介護制度を利用することを勧めている。

 日本では、40歳から介護保険に加入が義務付けられている。主な受給者は65歳以上で要介護認定者。介護保険を利用して特別養護老人ホーム等の施設に入居し、介護サービスを受けることも可能だ。同社は特別養護老人ホームの経営も行なっており、受け入れ体制は整っている。

 「将来的には定住外国人向け老人ホームをつくり、同じ言語の外国人に介護させることも視野に入れている」と林社長。さらに「今まで身内に障害者がいて訪日就労できない人がいたり、介護が必要なお年寄りをブラジルにおいて日本で頑張って働いているという声を聞いた。各人で条件が違うから実際に聞いてみないと分からないが、とにかく希望者は相談してほしい」と語っている。

 詳細の問い合わせは同社の永田エリカさん(電話11・99169・3315、メールアドレスe.nagata@avance-authent.com.br)まで。

 

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 アバンゼの林隆春社長は「現在も毎月100人の新しいデカセギ労働者を受け入れている」と話す。その一方で、今後の在日日系社会に危機感を募らせている。「特定技能ビザで20代の日本語を話せるアジア人が訪日する。在日ブラジル人は平均40代で、日本語能力も低い」と語る。若くて日本語が話せるアジア系外国人の方が重宝され、日本語が弱い日系人が工場作業員などの単純労働市場にとどまるなどの階層化が進むのではと危惧する。アバンセでは職業訓練や日系人の雇用促進に努めているが、同社のような会社は珍しい。デカセギがいつまでも日本語を覚えなければ、外国人労働者市場の最下層に留まり続けるかも。在日ブラジル人のなかで、その危機感は高まるか?

 

 

 

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