ホーム | Free | 大耳小耳

大耳小耳

 日毎叢書企画出版(前園博子主宰)による『楽書倶楽部』第47号が4月に刊行された。冒頭には、ほんのり初恋のほろ苦さが漂う移民ならではの短編ロマンス「再会」(広川和子)。本紙でもおなじみの毛利律子さんによる「見直したい、美しい日本語(1)」も考えさせられる一文。「ありがとう」は漢字で書けば「有り難う(有ることが難しい)」であり、「そういうことは有得ないほど難しい」の意味。何気ない一言に込められた先人の知恵が感じられる。驚くべきは、イタペセリカ日本語学校のことを書いた「正月始め」(山畑實嵩(さねかさ))。戦前から元旦の新年会に教育勅語の奉読を続けてきたことで有名だ。この学校、今では日系人子弟よりブラジル人の方が多いとか。《日本人の規律正しい生活態度を学びたいということがその動機らしい》とのこと。今回も興味深い話が山盛り。関心のある人は同出版(聖市グロリア街332番サーラ32、11・3341・2113)まで連絡を。
     ◎
 「海外日系協会だより」第40号(3月号)によれば、神奈川県のJICA横浜で2月8日に「在日日系人のための生活相談セミナー」が開催され、約70人が参加。中心議題は在日日系社会でも話題になっている「高齢化問題」。デカセギ・ブーム開始から30年以上が過ぎ、日本側でも深刻化している。当日は法務省から四世ビザ担当官の講演もあり、《制度の発足から約半年が経過したにも拘らず、本制度で入国した四世の数がまだひと桁に留まっていることから、参加者からは制度自体に対する厳しい意見や日系四世の声を代表するような発言も出た》とのこと。ところが担当官は《まだ始まったばかりの制度であり、今後の推移を見守りながら見直し・検討を行なっていきたい》。いかにも官僚的時間稼ぎトーク(言い方)に聞こえるのは耳子だけ?

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • 大耳小耳2017年5月20日 大耳小耳  柳誌『ぶらじる川柳』(ぶらじる川柳社)が213号を5月に発行した。《テーメルさん何とかしてよこの不況》(中山哲弥)と大統領に頼む作品を目にした日、皮肉なことにその本人が一番の苦境に立たされていた(詳細2面)。《冷蔵庫前にたたずみはて!なにを》(久保久子)を読んで、「私も、私も […]
  • 大耳小耳2019年8月20日 大耳小耳  日伯協会(三野哲治理事長)=兵庫県神戸市所在=会報『ブラジル』984号(7月発行)を見ていたら、駐日ブラジル全権大使のエドゥアルド・パエス・サボイア氏の着任挨拶がでていた。来年は東京五輪の年であるのと同時に、在日ブラジル人にとっては「コミュニティ30周年」の記念の年だとか。1 […]
  • 大耳小耳2019年7月26日 大耳小耳  ブラジル日系熟年クラブ連合会の機関誌『ブラジル老荘の友』545号を見ていたら、羨ましい話が出ていた。毛利ペドロさんの投稿によれば、妻と二人で金婚旅行に日本45日間めぐりをしたという。下関でフグ料理、富山でホタルイカ、宮城県の松島ではイカやカキ、北海道の函館ではタラバガニやイク […]
  • 大耳小耳2019年6月25日 大耳小耳  あるぜんちな丸で南米に渡った日本人移民を半世紀にわたり記録したドキュメンタリー番組の「完全版」が、日本時間の26日午前0時45分から3夜連続で、NHKの衛星放送(BS1)で放送される。1968年に南米各地へと渡った移住者を取材した番組「乗船名簿AR29」が放送され、その後も移 […]
  • 大耳小耳2019年6月18日 大耳小耳  俳誌『朝蔭』第474号が4月に刊行された。《春雷の一喝に雨上がりたる》(秋村蒼一郎)からは、昔風の「怖いオヤジ」のような自然への畏敬と敬愛が感じられる。《老いの掌に三度叩きて蚊を逃す》(杉本三千代)には、電撃ラケットをお薦め。鈍る動きを文明で補う? 《人家埋めダムも決壊秋出水 […]