ホーム | 日系社会ニュース | 文協=白寿者表彰に本人20人出席=「若い頃苦労した分、今元気」=99歳、家族と喜び分かち合う

文協=白寿者表彰に本人20人出席=「若い頃苦労した分、今元気」=99歳、家族と喜び分かち合う

多くのカメラに照れながら表彰を受ける萩原さん

 「母は若い頃苦労して頑張ってきた。その分、今元気に過ごせているのだと思う」――受賞者の三隅松代さんの娘、アケミ・エレーナさん(64、二世)はそう述べた。ブラジル日本文化福祉協会(石川レナト会長)は「白寿者表彰式」を6月30日に文協ビルの貴賓室で行い、99歳を迎える該当者39人中、本人が20人出席して家族や親族と喜びを分かち合った。

 表彰式には代理人も15人が出席。親族ら約300人が見守る中、受賞者は壇上で表彰状、記念品、金一封を受け取った。車椅子の人が多かったが、しっかりとした足取りで表彰を受け、参列者に手を振って祝福に応える受賞者も見られた。
 エレーナさんは「小さい時は母にはよく怒られた。今では私が母を叱る方」と微笑みながらも「母は8人兄弟で義理の弟や妹もおり、世話は大変だったと聞いた。我慢強く頑張るしかなかった。苦労した分、体も心も強くなって、今を元気過ごせるのだと思う」と隣の母の顔を優しく見つめ話した。
 松村義三さんの長寿の秘訣は「にんにくと青汁を欠かさずとるようにしていること」だそう。山本君子さんの娘、睦子クシンスキさん(76、二世)は「母は2、3年前まで一人でメトロやバスに乗って外出していた」という。本人は「健康のためにしていることは特にない」とすました様子。
 救済会の佐藤直会長も入居者と接する中で「高齢でも元気な方は、散歩をしたり、作物を育てたり、室内でも折り紙を折ったり、活発に様々なことをしている」と感じている。
 野口泰在聖総領事、羽藤ジョルジサンパウロ市議、宮坂国人財団の西尾ロベルト義弘理事長、日伯文化連盟の吉田エドアルド理事長らも参列。表彰状授与の後には、ジャパニーズ・ダンス・カンパニー「優美」などの日本舞踊や太鼓ショーが行われ、茶菓子が振る舞われた。
 受賞者は昨年は53、一昨年は37、16年は44人だった。該当者は次の通り(五十音順、敬称略)。これまで表彰を受けていない100歳以上の人も含まれる。
 青山一(岡山県)、天野とみ江(山梨県)、井上さくゑ(98、山形県)、今川エミ子(愛媛県)、岩村ヨシエ(二世)、漆畑五郎(静岡県)、ウメノ山口ツキコ(101、二世)、永露政高(えいろ、98、長野県)、沖幸江(100、茨城県)、河合壽満子(二世)、加藤好子(98、長崎県)、金城マリナ(98、二世)、川口三男(かずお、二世)、河中司(98、山口県)、小池福美(東京都)、小林利和(98、北海道)、コヤマ谷シズ(奈良県)、佐々木三郎(98、熊本県)、芝忠夫(98、愛媛県)、鈴木あさ子(101、山口県)、高江洲具志ヨシコ(98、二世)、高原勝弘(98、京都府)、竹内博武(98、二世)、中島嶷(宮城県)、中田チサト(98、二世)、西井久枝(100、広島県)、西谷啓子(98、山梨県)、萩原ヨシエ(熊本県)、平尾洋子(98、山形県)、古山孝子(山形県)、マエダヒサ子(100、熊本県)、松村義三(よしみ、98、香川県)、三隅松代(愛知県)、宮崎は奈江(98、長野県)、宮里勝長(98、二世)、森岡和(高知県)、森谷鈴木てい(山形県)、山本君子(98、北海道)、ワタナベチエ(98、鹿児島県)


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 「白寿者表彰式」で野口総領事は、受賞者とその家族に祝意と敬意を表した上で「日本は100歳以上の方が7万人いると言われる長寿国。ブラジルも今後高齢化に向かっていく。日本が高齢化社会の課題を克服していく姿を手本にしてもらえれば」と述べた。日伯間には日系社会という深いつながりもある。ぜひ両国間で協力して取り組んでほしいもの。

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