玉城流玉扇会城間和枝琉舞道場(城間和枝代表)は今月21日午後2時から「道場創立25周年並びに第4回発表会(玉城流玉扇会ブラジル支部創立35周年)」(上原テリオ実行委員長)を沖縄県人会大サロン(Rua Dr. Tomaz de Lima, 72 – Liberdade)で開催する。今回は、節目の年を祝うために沖縄県から玉城流玉扇希友会(きゆうのかい)の金城順子会主と、玉城流玉扇生咲会(きさきのかい)の仲村加代子会主が特別に来伯している。入場無料。
同発表会では3~93歳までの約100人の門下生が出演。道場から誕生した4人の教師が企画の中心を担い、26演目で3時間半の公演を行う。城間代表は、第二家元の玉城秀子先生から許可をもらった「本花風」、金城会主、仲村会主は、月夜で逢瀬を楽しむ男女を描いた「トバルマ(月下の戯れ)」など2演目を披露する予定。
テーマは、「舞心 踊りかながなとぅ いち世までぃん(踊り心で仲睦ましく幾世までも継いでいきましょう)」。城間代表は、テーマについて「一世の舞踊家は80歳以上がほとんど。しっかり継承していること、そしてどれくらいの技術が身についたかをお客さんに見てもらいたい」と決定した理由を説明する。
来伯4回目の金城会主と2回目の仲村会主は、今月10日に到着し、公演会のために稽古を行っているという。城間代表は「普段はビデオを観ての練習で、どういう足の動きか分からない生徒も多い。ブラジルから沖縄県へ踊りの稽古に行く人は少ないので、こうして先生方に直接教えてもらう機会は貴重」と語る。
ブラジルの踊り手の印象について、金城会主は「祖父母の故郷をよく知ろうとしていて、頭が下がる。玉扇会の心もちゃんと受け継いでいる」と感心した様子。仲村会主も「20年ぶりにブラジルに来た。皆よく勉強していて熱心。細かい点などを中心に指導していきたい」と意気込む。
城間打表は「初代の新崎鶴子先生がガンで急に亡くなるまで、まさか自分が引き継ぐとは思っていなかった。それから25年。『1人1回でもいいから生徒を舞台に上げたい』と想いながら続けてきました。ぜひ見に来てください」と来場を呼びかけた。
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「玉城流玉扇会城間和枝琉舞道場創立25周年並びに第4回発表会」 の実行委員、島袋安雄さんは、今回の公演に際し「門下生からもっと踊らせてという声があちこちからあったが、絞って絞って3時間半になった」との逸話を披露。2会主によれば「沖縄でも一公演2時間が普通」だとか。今公演に際し、「上原テリオ実行委員長の頑張りが大きかった。最高の準備をしているので期待してください」と呼びかけている。
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玉城流玉扇会の初代師範、新崎鶴子先生がガンで急死したことにより、道場を受け継いだ城間和枝代表。「先生になる予定はなかったが、門下生も大勢いたし、私は道場で最高賞を取っていたのでやるしかなかった。子供踊りの振り付けも知らなかった。最初は縫製業をやりながら手探りで教えていました」と苦労を振り返る。今は約100人の門下生に、90歳以上の生徒が2人もいるのだとか。全員で猛特訓の今回の公演は、皆の期待に添うような華麗な舞台になるとのこと。ぜひ足を運んでみては。