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岐阜農業高校生が来伯研修=日系農家と交流、見聞広める

来伯した高校生ら

 岐阜県内の農業高校、農業系学科の生徒10人、引率の教員2人からなる「令和元年度農業高校生海外実習派遣団」が7月27日に来伯した。
 同派遣事業は海外の農家や農業高校生との交流、農業体験を通じて、国際的な広い視点で農業や流通、環境保全事業について学ぶことを目的とする。今回は岐阜県内の6高校(恵那農業、大垣養老、加茂農林、岐阜農林、郡上、飛騨高山)から2、3年生の男子6、女子4人の生徒が参加。
 一行は2日までブラジルに滞在し、サンパウロ市やオランブラ、レジストロを訪問。東山農場のコーヒー農園、ピラルク養殖場、市場などの視察や農業体験、農家でのホームステイ、また当地の農業高校の生徒との交流などを行った。他にサンパウロ市のジャパン・ハウスやブラジル日本文化福祉協会ビルの移民史料館、県人会も訪問し、理解を深めた。
 派遣団の研修テーマは「自分たちで切り拓く農業の夢~人と関われ! 新たな可能性を求めて~」。これに加え、各自が専門や進路を基に研修テーマを立て、各々の視点で実習に臨んだ。
 生徒団長の山田泰輝さん(飛騨高山高・園芸科学科3年)の家族は、約40種の野菜を栽培する農家。「将来家業を継ぐために、世界の最先端の農業を確認し、長所を取り入れたい」と意気込みを語った。
 市原李保さん(加茂農林高・園芸流通科2年)は将来について「農家を助ける仕事をしたい」という。「日本では農家が高齢化を迎え、農業従事者が減りつつあるが、地域全体の農業に対する関心を高め、農業を活性化させたい」との目標を明かした。
 臼井美里さん(岐阜農林高・生物工学科2年)の研修テーマは「生産性向上のための最先端栽培技術について」。「米、ブラジルは広大な土地を生かし、大型農業機械の導入や飛行機での農薬散布を行っている。その様子を直接見ることができた」と収穫があった様子。
 「欧州では有機栽培が人気というように、各国で消費者が何を求めているのかを学びたい。将来は農産物の加工、流通に関わりたいと考えており、その仕組みや、日本との違いも見たい」と五十川諒一さん(大垣養老高・環境園芸科2年)は説明した。生徒の中には親が過去に派遣団に参加したという生徒も。
 生徒らは7月21日に日本を出発。10日までに米国、ブラジル、ドイツ、オランダを巡り、農場や市場の視察、農業体験、農業高校の生徒との交流を行った。
 同派遣事業は岐阜県議会や教育委員会の支援を受け、1978年に開始。ほぼ毎年継続され、開始当初はブラジルのみの派遣だったが、後に米、独、オランダも派遣先に追加。今回で41回目。

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