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《ブラジル北東部》原油による海岸汚染続く=9州132カ所で100トン超=ウミガメの子放流も当面中止

セルジッペ州の海岸に漂着した原油(Adema/Governo de Sergipe)

 【既報関連】9月2日以降、ブラジル北東部の海岸に漂着した原油による環境汚染は範囲が拡大し続けており、回収された原油の固まりは100トンに及んだと7~8日付現地紙、サイトが報じた。
 9月26日現在は8州48市、105海岸とされていた汚染箇所は、7日現在、9州61市、132海岸に増えている。国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)によると、原油による環境汚染は北東部の全州に及んでおり、全てが同じ成分の原油による汚染だという。
 ボウソナロ大統領は7日、国防省での緊急会議後に、「ブラジルでは生産も販売もしていない成分の原油で、船からの原油漏れの可能性が強い」「汚染源としてある国が捜査線上に上っているが、現在はまだ、犯罪行為か、事故かの区別もついておらず、国名は明かせない」と語った。
 だが、同大統領は8日朝、リカルド・サレス環境相との会談後、「北東部の海岸に漂着した原油は意図的にばら撒かれた可能性がある」と発言。環境相は7日、北東部の海岸を歩き、上空視察も行って来たばかりだ。
 ボウソナロ大統領は5日、連警と海軍、Ibama、生物多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)に、原油汚染の原因と責任者特定のための捜査も指示した。大統領は48時間以内に報告を行うよう命じており、7日の発言はそれを受けたものである可能性が濃厚だ。だが、報道陣からの質問には、「外交上の問題を起こしたくないから、まだ国名は明かせない」と語るに止まった。
 だが、原油による海岸部の汚染が徐々に広がっている事は確かで、9月24日はセルジッペ州、今月4日にはバイア州でも原油の塊発見といった具合で南下している。
 ボウソナロ大統領は、沈没船からの原油漏れなら、原油漂着はまだ続くとの見解も表明。サレス環境相は7日に流したツイッターで、IbamaやICMBio、海軍、その他の機関が回収した原油の塊は、100トン以上と記している。
 原油による海岸部汚染拡大を受け、当局は健康被害を避けるために海岸に出る事を控えるよう通達。観光客の減少や宿泊施設の予約解約などの影響も出ている。
 また、海洋そのものの汚染状況も明確ではないため、バイア州北部海岸で卵から孵ったばかりのウミガメの子供を海に帰す活動を行っているTamar・プロジェクトでは、子ガメの放流を中止した。同プロジェクトによると、現時点では原油漂着によるウミガメの死は確認されていないが、子ガメはより脆弱なために放流を止め、海岸部にある巣の観察や孵化したばかりの子ガメの保護を続けるという。

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