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《ブラジル》北東部=「海水浴しても大丈夫」=モウロンらが無責任発言

上空視察を行っているアントニオ観光相(25日、Vagner Vargas/MTur.)

 【既報関連】北東部への原油漂着が続く中、マルセロ・アウヴェス・アントニオ観光相やアミウトン・モウロン副大統領が、北東部の海岸はきれいで「海水浴しても大丈夫」と発言して物議を醸したと25~28日付現地紙サイトが報じた。
 原油で汚染された海岸は26日の時点で9州92市で249カ所とされているが、北東部の海岸への原油漂着は28日も確認されている。
 そんな中、アントニオ観光相が25日、ペルナンブコ州南部の海岸で海水に足を浸し、「北東部の海岸は観光客が海水浴できる」と発言した。同相は上空視察後、海洋にも海岸にも原油の塊は見出せなかったとしているが、同州ではこの日も複数の海岸に原油が漂着、除去作業が行われた。
 だが、モウロン副大統領は翌日、「原油はもう除去されたから、原油で汚れた海岸はない。原油塊が現れたら専門家を派遣し、掃除をする。それで万全だから海水浴は可能」と語った。
 だが、27日にリオ・グランデ・ド・ノルテ州に漂着した原油は小さな塊に分離しており、回収が困難と報じられているように、「目に見える塊がない」=「海水や海岸から微細な原油まで除去出来た」ではない。
 9月24日から原油漂着が続くセルジッペ州で回収された原油は、28日現在で840トン。ペルナンブコ州では24日までに1358トンなど、8月30日以降の原油漂着が2カ月にも及ぶ事や、各州で1千トン前後の原油が回収されている事は、海洋の汚染やその影響が広範囲かつ深刻な事を示している。
 観光相は25日、原油漂着で被害を受けた観光業者らへの融資資金に2億レアル解放と発表。ペルナンブコ州も操業出来ない漁師の登録を始めるなどの対策を採り始めたが、既に困窮している人達も多く、対応の遅れに苦情も出ている。

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