ホーム | コラム | 樹海 | 新しいものは基本があってこそ

新しいものは基本があってこそ

 NHKの番組で、新しいスタイルの文字(字体)を作る人は、最初の数カ月間、ひたすら明朝体の文字を模写すると聞いた。完璧に書き写したつもりでも、ベテランから線の幅やふくらみなどを直される様子を見、新しいものを作り出す前に基本を体に染み込ませる必要があるのだと痛感した▼手書き感のある文字や丸みのある文字など、ちょっと違う雰囲気の字体を書籍の題字などで見た事は何度もあるが、素人では気づかないほどの小さな変化の積み重ねが全体の印象を大きく変える事には疎かった。まして、ほんの僅かな違いを指摘され直しつつ、何カ月も明朝体を書き写すという地道な作業が、新しい字体を作るための基礎になっているとは思ってもいなかった▼だが、その番組を見ながら、カラオケの教師が、「うまくなりたかったら、まず、よく聴く事」と大会で話したという話を思い出した。目や耳を肥やし、僅かな違いにも気づくほど訓練する事が、新しい字体や新しい曲想を生み出す基本となるのだなと▼銀行員が本物の札に触れ続ける事で偽札を見分けられるようになるのも、一脈通じるものがありそうだ。小中学校の部活でもやるような基本練習抜きでプロになれるスポーツ選手はいないだろう。国際機関で働く事になった人が、英語をものにする方法として「中学校の教科書を徹底的に勉強しろ」と言われたという話を、中学生の時に聞いた事も思い出す▼ものを書くなら、良い文章に触れる事やどんな部分に手を入れられたかを見直す事などが上達への道。直された点を素直に受け入れる謙虚さと、それによりどう変わるかを冷静に分析する能力は、次のステップに進むための大事な課題だろう。(み)

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • コラム 樹海2007年4月13日 コラム 樹海 2007年4月13日付け […]
  • トヨタグループ主催コンペ=PLゴルフ場で145人が参加2018年9月21日 トヨタグループ主催コンペ=PLゴルフ場で145人が参加  トヨタグループ16社の協賛で「第12回レクサス&トヨタズカップ」が先月26日、アルジャー市のPLゴルフクラブにて開催された。当地における同グループへの日頃の愛顧に感謝を込めて毎年開催するもので、昨年を越える145人が参加し、大盛況となった。  ブラジルトヨタ60周年、ブラジ […]
  • 東西南北2004年1月24日 東西南北 1月24日(土) […]
  • クーニャ逮捕の余波は?=本人抵抗も証拠は十分=連邦政府内では緘口令も=デラソンで心配されるのは?2016年10月21日 クーニャ逮捕の余波は?=本人抵抗も証拠は十分=連邦政府内では緘口令も=デラソンで心配されるのは?  【既報関連】19日のエドゥアルド・クーニャ前下院議長(民主運動党・PMDB)逮捕で、連邦政府内には、その余波を恐れている向きがあると、20日付現地紙が報じている。  クーニャ氏は19日、ブラジリアからパラナ州の連邦警察に連行される際、自身の逮捕を「証拠もないのにばか […]
  • 友好病院から2医師訪日=心臓分野の最先端学ぶ2008年9月13日 友好病院から2医師訪日=心臓分野の最先端学ぶ ニッケイ新聞 2008年9月13日付け  二十二日から十月二十二日まで、援協経営の日伯友好病院で働くファビオ・アントニオ・ガイオット医師(心臓外科・38)と瀧谷朋子エリザベッチ医師(心臓内科・48)が訪日し、日本の大学で技術研修に励む。 […]