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《ブラジル》国道での交通事故の死傷者増加=移動式レーダー撤去後に

 スピード違反を取り締まるためのレーダーを国道から撤去後、交通事故による死傷者が増えたため、裁判所が連邦政府に移動式レーダー導入を命じたと17日付エスタード紙が報じている。
 国道からの移動式レーダー撤去は、ボルソナロ大統領によって推し進められ、8月15日以降、国道の85%(5万5700キロ分)で、スピード違反を測る機能が失われた。ボルソナロ大統領はその前にも国道への固定式レーダー新設を禁じており、8月現在で残されていたのは全国でわずか332機の固定式レーダーだけとなった。
 だが、1~3月は交通事故による死者と負傷者が減っていたのに、固定式新設禁止後の4~7月は、死者数が前年同期比で2・7%、負傷者数が5・1%増えた。また、移動式撤去後の8~10月は、死者が2%、負傷者が9・1%増加していたことが判明した。
 レーダー導入はそれ以前からも、交通事故や死者の減少に貢献していたことが伝えられていた。2011年に国道での交通事故で死んだ人は9千人近かったが、年々減り続け、2018年には5269人となっていた。
 スピード違反は国道での交通事故死の原因の16・1%を占める。国道を頻繁に利用するトラック運転手らも、レーダー撤去後はスピード違反が増えたと感じていた。
 こうした事態により、裁判所は連邦政府に14日までに移動式レーダーを導入するよう命じた。だが、導入が徹底せず、16日に導入期限を23日までに延期した。

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