グループ・フレンズ(蛯原忠男代表)は「第23回グラン紅白歌合戦 希望の家チャリティーショー」を15日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で開催した。80組以上の日系社会歌手が出場し、会場には1500~2千人(主催者発表)が詰め掛け、立ち見客も見られた。
実業家、スポンサーなど約30人の審査員による厳正な審査の結果、白組が優勝を飾り、トロフィーを手にした。
会場では終日、紅白歌手がグループ・フレンズ楽団によるバンド生演奏を受けて歌声を響かせ、歌手の登場時と歌唱の後には大興奮の観客が拍手喝采、口笛を鳴らし会場を熱気で包んだ。
グラン紅白は5ブロックで構成。2ブロック目の最後には、野口総領事が谷村新司の『Far Away』、ブルー・ツリー・ホテル経営者の青木智栄子社長が小林旭の『昔の名前で出ています』で、ゲストではなく紅白歌手として出場し、豪華対戦が実現した。
他にも、演劇・映画化されている人気小説作品『オペラ座の怪人』の一場面をミュージカルのように再現した一幕や、歌手と太鼓生演奏の共演、バックダンサーが歌を盛り上げた。各ブロックの合間には太鼓や剣道の実演や、リベルダーデ文化福祉協会舞踊部の日本舞踊で観客を楽しませた。
グラン紅白は入場無料だが、衛生用品など日用品の寄付が呼びかけられ、集まった物品は希望の家福祉協会に贈られた。グループ・フレンズは毎年グラン紅白を開催し、福祉団体への寄付を募っている。
蛯原代表(70、宮崎県出身)は「時間のない中で最大限良いものにできた」と安堵の様子。「常々歌手には『歌が上手なだけでは足りない。喜びや悲しみで観客の心を動かす工夫、パフォーマンスを』と呼びかけ、観客をもっと楽しませることを考えている」とこだわりを語った。
毎年来ているという匿名希望の二世女性(79)は「観客を楽しませようという取り組みがたくさんあって、今回も盛り上がって楽しかった」と満足したようだ。
「娘に連れられて初めて来た」という酒井正巳さん(さかい・まさみ、88、愛知県出身)は「よく知っている歌がたくさん聴けて楽しめた」と笑顔を見せた。
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