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《ブラジル》=社会保障受給の申請殺到で130万人が行列=窓口対応に予備役軍人投入=9カ月で状況を収束させる方針

ロジェリオ・マリーニョ特別局長(中央・Rodrigues Pozzebom/Ag. Brasil)   

ロジェリオ・マリーニョ特別局長(中央・Rodrigues Pozzebom/Ag. Brasil)

 ブラジル連邦政府は、国立社会保険院(INSS)に殺到している社会保障受給請求者の審査を加速化するため、予備役軍人を最大で7千人投入し、INSS職員を受給審査に集中させることを決めた。15日付現地各紙が報じている。

 この措置は14日に、経済省社会保障労働特別局のロジェリオ・マリーニョ局長が発表した。

 法律ではINSS受給を申請したら、45日以内に返答がなければならないが、それを過ぎても返答を得られない人が130万人もいる。審査待ちの人の数を9月までに大幅に減らすため、予備役軍人が投入される。

 INSSは、年金や各種手当てなどの社会保障金を管理する、経済省の管轄機関で、社会保障金自体を指すこともある。

 同作戦に従事する軍人には、30%増しの給与が支払われる。財源はINSSだ。当局は軍人投入による追加支出は1450万レアル/月と試算している。9カ月では1億3050万レアルだ。

 マリーニョ特別局長は、手続きを迅速化することで、45日以上遅れた場合に政府が支払わなければならないインフレ調整額や利子を減らせるので、追加の人件費も割りに合うとしている。昨年は、手続き遅れによるINSSの追加支出が2億レアルに上った。無策のままなら、今年は3億レアルに膨れ上がる見込みだ。

 予備役軍人の募集は今月から始まり、自主参加だ。1月、2月は訓練期間で、3月から業務に就くが、全員配備は4月となる見込みだ。

 INSSでは、軍人の支援により、窓口での対応に当たっている職員の内、2100~2500人を受給審査にまわせると見ている。

 軍人投入という新対策を講じなければ、審査待ちの列解消には15カ月かかるが、今回の作戦で6カ月に短縮される見込みだ。特別局長は9月以降もINSS受給待ちの列が完全になくなるとは見ていない。新規申請分が先送りされず、期間内に捌けるようにする事が目標だという。

 特別局長は、「前政権からINSS待機者160万人を引き継いだ時からこの問題を心配していた」と語った。18年半ばにINSSの申請がデジタル化されたことと、社会保障制度の変更前にと急ぐ人とで申請が殺到したが、書類を審査する人員が不足している。

 さらに悪いことに、INSSは退職者が増えた(昨年は7千人)のに、スタッフの補充が行われず、職員が減っている。現在の職員は2万3千人で、8千人が受給条件審査に当たっている。現在は1514人が病気欠勤扱いだが、特別局は、欠勤者の健康状態をチェックし、1千人を業務に戻すつもりだ。

 政府はまた、昨年11月に成立した社会保障制度改革に則ったINSSシステムの再構築を進めている。レナト・ビエイラINSS長官は、新システムへの移行は2カ月で終わると見ている。

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