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ブラジル南東部=サンパウロ州の豪雨の犠牲者7人に=リオ山間部やミナス南部でも

死者も出たジュリオ・メスキッタでの道路損壊現場(11日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】先週末から南東部で続いた強い雨で、サンパウロ州、リオ州、ミナス州の3州で死者が出たと11~12日付現地紙サイトが報じた。
 サンパウロ州では9~10日に記録的な大雨が降り、サンパウロ大都市圏でチエテ、ピニェイロスの両河川の氾濫などを引き起こした。
 サンパウロ市から北西253キロのボトゥカトゥでは、この雨で、州道が陥没したり、濁流で洗われたりした。これにより、州道に出来た穴に落ちたトラックの運転手と、医師の診察を受けるために出かけたが車ごと濁流にのまれた夫婦と妻の姉の計4人が死亡している。
 また、サンパウロ市から433キロ北西のジュリオ・メスキッタでは10日夜、州道の下を横切る水の流れで道路が陥没。トラックと車が落ち、車の運転手が死亡した。アラサリグアマでも10日夜、チエテ川が氾濫し、男性が流された。男性の遺体は12日に見つかった。
 また、サンパウロ大都市圏では、8日に降った雨で濁流に飲み込まれた男性4人の内の1人が、9日に遺体で見つかった。
 リオ州では10日から強い雨が降り始め、11日夜には、リオ市南部で土砂崩れが起きた。現場では19年4月にも土砂崩れが起き、コンクリートで補強されていたが、事故再発を食い止める事は出来なかった。
 この事故では死傷者は出ていないが、12日午後、同州山間部ペトロポリスで起きた土砂崩れでは家屋が倒壊。妻と子供2人は隣人や消防隊が救出したが、34歳の夫は意識不明の状態でみつかり、病院に運ばれたが、死亡した。
 また、ミナス州では11日から、南部を中心に強い雨が降り始めた。同州では1月24日以降、ベロ・オリゾンテ大都市圏や州東部などで大雨が降り、59人の死者が出ていたが、今回は南部のカシャンブで、防災局の勧告に従わずに自宅に戻った58歳の女性が土砂崩れに遭って死亡した。
 この夏の南東部での雨は、ベロ・オリゾンテ市が1月に900ミリ超、サンパウロ市でも2月1~11日だけで343ミリなど、記録的だ。週末に向け、雨量は減る見込みだが、多くの地域では土壌が多量の雨を蓄えており、わずかな雨でも土砂崩れや洪水が起こる可能性があるため、警戒が必要だ。
 農産物の生産や販売、運輸など、多方面への影響も懸念されている。