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JICA=「世界レベルを体感して!」=学生剣士エリートが来伯指導

派遣された学生剣士9人と中武さん(後列左端)

 日本の学生剣士の最高峰ともいえる9人が「2019年度短期第1回日系社会海外協力隊」として、2月18日から1カ月間の短期で特別に教えに来伯している。
 JICA企画調整員の永浦裕太さんによれば、現在ブラジル剣道のレベルは世界で4~8位程度。3年に一度開催される世界大会では、前回の韓国大会で「悔しい結果」に終わった。次の2021年フランス大会に向けて、ブラジルチームの強化と剣道の普及のために来伯した。日本で公募し、応募した人から選考された。
 派遣された9氏は次の通り。加納誠也(かのうせいや、筑波大学4年、22)、場埼千優(ばさきちひろ、21、国士館大学3年)、村岡尚武(むらおかなおたけ、同)、土橋尚樹(どばしなおき、同)、土川友輔(つちかわゆうすけ、大阪大学4年、23)、得能史晴(とくのふみはる、国士館大学3年、20)、奈良田廉(ならたれん、同、21)、廣澤快(ひろさわかい、中央大学2年、20)、甕健介(もたいけんすけ、筑波大学修士1年、23)。
 サンパウロ市の三重県人会で代表候補の強化練習をするほか、佐賀県人会、香川県人会、文協、聖武館、国士館スポーツセンター、ピオネイロ、リオ、スザノ市(合同練習)、創価学園、フジ・ラモス、サウーデの松風館などで稽古をつける予定。
 土川さんは「国際協力に興味があったが、自分の専門(剣道)が活かせる場があまりないので、良い機会だと思って参加した」との動機を語った。
 ジャパン・ハウスで模範試合をするために2年前にも来伯した甕さんは「剣道の国際発展に貢献するように、現地の要望をしっかりと聞いて、課題として持ち帰りたい」との抱負を語った。
 村岡さんは「今の国士館大学の剣道部長は、昔ブラジルの国士館で剣道を教えていた先生。『ブラジルは剣道に熱心だから、それに応えられるようにしっかりと頑張ってこい』といって送り出された」とのこと。
 昨年1月に着任したJICA長期剣道指導員・中武亮介さんは「世界の剣道人口250万人のうち170万人が日本人。その学生トップ剣士がこの人たち。世界レベルを肌で感じてほしい」と語った。

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