ホーム | ブラジル国内ニュース | マラニョン沖=タンカー引き揚げ作戦は?=10日からオイル抜き取り

マラニョン沖=タンカー引き揚げ作戦は?=10日からオイル抜き取り

現場視察後、タンカー引き揚げに関して語るサレス環境相(4日、Jose Cruz/Agencia Brasil)

 【既報関連】2月24日夜、海底に船底が接触する事故を起こし、沈没を防ぐため、マラニョン州沖100キロの砂地に船体を乗り上げさせ、傾いたまま停泊している大型タンカーのステラー・バーナーの引き揚げ作業が10日から始まる予定と5日付現地紙サイトが報じた。
 韓国のポラリス・シッピング社所有の大型タンカーは、4月初旬に中国に届ける鉄鉱石29万5千トンを積んで出航直後に事故を起こし、船体を波間にさらしている。
 2月28日に確認された船の周りのオイルのシミはまもなく消え、Vale社が環境破壊で告発される可能性は薄らいだが、船の引き揚げ作業は進まずにいた。
 現場では1日以降、潜水夫による調査も行われている。それによると、船体の傷は約25メートルに及ぶ。漏れたオイルは残油で、333リットル程度と見られている。現場派遣の船と雨とでオイルが回収、拡散され、環境汚染のレベルには至らなかった。
 ポラリス社が契約した会社の技術者は船体の修復に努めており、船の引き揚げに関する計画書も提出。新たなオイル漏れを防ぎ、船の引き揚げを容易にするためのオイル抜き取りは、10日から始まる予定だ。
 リカルド・サレス環境相は4日に現場を視察。同日明らかにされた情報によると、船体が砂地を離れ、港に戻るのを助けるため、オイル3600トンと鉄鉱石の一部が抜き取られる。抜き取った鉄鉱石はその後、再び積み込まれる予定だ。
 なお、ポラリス社は2017年にも、26万トンの鉄鉱石を積んでリオ州イタジャイの港から中国に向かうタンカーで沈没事故を起こしている。

image_print