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《ブラジル地方統一選》警官や軍人が7千人弱立候補=制服姿の選挙運動に軍が難色

最も問題視されているクリヴェラ市長のキャンペーン・ポスター(Twitter)

 11月の地方統一選挙での軍人立候補者に、制服姿でのキャンペーンをやめてほしいと陸軍が願っているという。その中のひとりに、現職のリオ市長の副候補も含まれている。29日付現地紙が報じている。
 2016年の市長選の時は、市警、軍警、現役ならびに予備役軍人からの立候補者が正副市長候補を合わせて188人いた。今年は、軍人出身のボルソナロ氏が大統領になったことも影響して、その倍以上の388人が市長選に出馬している。
 市議会議員選の候補も入れると、警官や軍人の候補者は、全国で6723人に上るという。
 それに伴い、問題が起きている。最も大きなものは、立候補者が「選挙に出馬する時には、制服などの軍を想起させるものの着用は禁ずる」とする軍規則を破っていることだという。

 その中で最も問題視されているのが、リオ市のマルセロ・クリヴェラ市長の再選キャンペーンだ。同市長は副候補に現役の陸軍中佐であるアンドレア・フィルモ氏(共和者・RP)を据えている。キャンペーン用の写真での彼女が、軍服に青の制帽をかぶっていることが問題となっている。そのうちの1枚は、同氏とクリヴェラ氏とボルソナロ大統領の3人が横一列に並んだものだ。
 これに対してフィルモ氏は、「陸軍のエンブレムは外してある」「国連のサハラ派兵の際の服装であり、ブラジル軍のものではない」と反論している。
 だが、エスタード紙がある陸軍司令官に取材したところ、フィルモ氏の行為は「完全なる違反行為」との見方をしていた。
 陸軍では、政治進出の際、軍との区別をつけることが強く求められている。ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領秘書室長官が予備役になったのも、それが理由となっているという。陸軍によると、軍則違反を行っているのは相当数に上っているという。

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