《ブラジル》アマパー州都に予備変圧器を貸与=新機材購入までの安全確保に

【既報関連】11月に起きた長期の広域停電で州都の市長・市議選も延長されたアマパー州に、予備の変圧器が貸し出される事になって移送作業が始まった。
11月3日に起きた変電所の火災が原因の広域停電では、同州全16市中の14市で電力供給が止まった。停電中は水道や電話も止まり、食料の確保も困難だった上、供給再開後も輪番供給だった。
途中で再度の大停電も発生するなどして、市民生活は困窮。州都マカパー市では繰り返し抗議行動が起き、11月15日に予定されていた統一地方選も延期された。
21日間続いた広域停電は火災で破損したマカパー市の変電所の変圧器交換で解決したが、市民には再発への不安が付きまとう。11月の火災発生時、本来なら即時に切り替えてバックアップするはずの予備変圧器まで故障していて、解決が遅れたからだ。
そこで、エレトロノルテ社がロライマ州ボア・ヴィスタの変電所にあった予備の変圧器を貸し出す事になった。200トン近い変圧器は2日に解体され、移送中だ。マカパー到着は天候などに左右される。
鉱山動力省は、予備の変圧器が貸し出される事で「広域停電再発のリスクは小さくなった」と見ている。広域停電の最中に行われたサンタナ第2火力発電所とサンタリタ火力発電所への発電機増設は、電力供給を助け、停電再発時の影響を最小限に抑えるための方策だが、予備の変圧器が到着すれば対策はより万全となる。
ベント・アルブケルケ鉱動相は2日、国家電力庁やエレトロノルテなどの代表と共に5回目の現地視察を実施。変電所訪問後はヴァルデス・ゴエス知事とも話し合った。
マカパー変電所は既に新たな器材の購入を決めており、貸し出しは一時的だ。貸出期間や賃貸料は公表されていない。3日付の官報には今後2年間かけて太陽光発電などによる電力供給を始める計画も掲載されている。(3日付アジェンシア・ブラジルより)