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《サンパウロ市》市内バスの無料乗車も65歳以上に=地裁が市長の抗告を認める

サンパウロ市内を走るバス(Renato Lobo/Via Trolebus)

 【既報関連】サンパウロ州地裁が14日、サンパウロ市内を走るバスに関しても、無料乗車できるのは65歳以上との判断を下した。
 サンパウロ市内を走るバスの無料乗車は60歳以上の人に認められていた。だが12月23日にブルーノ・コーヴァス市長が、1月1日からは65歳以上の人のみとすると発表。60歳以上、65歳未満の人が無料乗車できる期間は、12月29日に1月一杯に延長された。
 だが、これを不服とする市民からの訴えを受け入れた公的財務法廷のオタヴィオ・チオイチ・トクダ判事が8日、サンパウロ市長が裁可した条例を無効とし、60~65歳の人達の無料乗車を認める予備判断を出した。
 だが、コーヴァス市長が上告したのを受けたサンパウロ州地裁のジェラルド・フランシスコ・ピニェイロ・フランコ長官が14日、この予備判断を覆す判断を下したため、無料乗車は65歳以上の人に限定される事となった。

 コーヴァス市長は8日の予備判断後、憲法で規定している高齢者は65歳以上で、この年齢層の人への無料乗車は憲法が求める恩典として保障する。だが、60~65歳の人は憲法の対象外だから、無料乗車を保障する義務はないし、60~65歳の人の無料乗車を認めると、サンパウロ市の財政に3億3800万レアルの損失を生じさせると主張して抗告。フランコ長官がそれを認めた。
 これにより60歳以上、65歳未満の人が持つ高齢者用ビリェッテ・ウニコは、1月一杯で無効となる。
 フランコ長官は、サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が行った、サンパウロ市発着の都電(CPTM)と市間バス(EMTU)、サンパウロ市の地下鉄の無料乗車を60~65歳の人にも認めた予備判断に対する上告の審理でも、知事の言い分を認め、無料乗車は65歳以上とする判断を下している。(15日付ジアリオドトランスポルテ・サイト、同ノチシアンド・ネット・サイトなどより)

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