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そして、すべては振り出しに戻った

リラ氏(Marcelo Camargo)

リラ氏(Marcelo Camargo)

 「結局、あのときのデモは一体なんだったんだろう」。今回の下院、上院議長選を見るにつけ、そう思わずにはいられない。
18年の大統領選の際、「もう不正に溢れた古い政治はこりごりだ」と、伯国旗の緑と黄色の服をまとってボルソナロ氏を支持する行進をした人たち。いや、その前の2016年にジウマ政権打倒を求めてデモをした人たち。
さらに言えば、2013年のサッカーのコンフェデ杯の際に毎日抗議活動を展開して世界中の注目まで集めた人たち。そうした人たちにとって、今回の議長選の結果、伯国政治がたどり着いたものに満足な人はどのくらいいるのだろうか。
「古い政治の打倒」を叫んで支持を得たボルソナロ大統領は結局、「政界で最も汚い」との悪名高い中道勢力セントロンにすり寄り、自身の推すアルトゥール・リラ氏(進歩党・PP)を通したいがあまりに、コロナのパンデミックでただせさえ金が足りない中、285人もの議員に総額30億レアルもの議員割当金などの開放を約束した。

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