新型コロナの感染再燃で集中治療室(UTI=ICU)が満杯になる州や市が続出しているが、比較的病床数が多いとされているサンパウロ大都市圏でも5市のUTIの占有率が100%となり、空き待ちの死者まで出ていると9日付現地サイトが報じた。
9日の時点でUTIの占有率が100%に達しているのは、タボン・ダ・セラ、アルジャー、エンブー・ダス・アルテス、マイリポラン、ポアーの5市だ。
特に深刻なのはタボン・ダ・セラで、3日以降、一般病室をUTI代わりにして対応している。この状態では人工透析などが必要な患者には対応できない。
同市では5日以降、少なくとも11人がUTIの空き待ちのままで亡くなった。先週から空きを待っている患者16人の内、UTIへの入院がかなった患者は4人のみ(クリニカス病院とグアルーリョス市の病院に各2人)だ。
それ以外でもフランシスコ・モラト、モジ・ダス・クルーゼス、マウアー、サントアンドレ、グアルーリョスの諸市のUTIの占有率が90%を超えた他、サンベルナルド・ド・カンポ、ジアデマ、サンパウロ、バルエリ、カイエイラスの諸市でもUTIの占有率が80%を超えている。
サンパウロ大都市圏39市の内、返答がなかったのは、カラピクイバ、エンブー・グアスー、ジュキチバの3市のみで、それ以外の市は、占有率が80%未満か、小さくてUTIがない市だという。
サンパウロ州のドリア知事は臨時病院の増設を約束しているが、感染者や入院患者は予想以上のペースで増加している。