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五輪で見た世代交代と人間模様

ナディア・コマネチがレベッカに祝辞を贈ったと報じる7月29日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

ナディア・コマネチがレベッカに祝辞を贈ったと報じる7月29日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 東京五輪が終わり、24日からはパラリンピックも始まる。今回は新型コロナのパンデミックで間隔が5年空いたが、4年に1度のスポーツの祭典では世代交代その他の人間模様も気にかかる。
 今回の東京五輪で印象に残った例は、東京五輪出場をかけた最後の競技会にも出た体操のジャーデ・バルボーザとリオ五輪代表だったダニエレ・イポリトがアナウンサーと同じブースで解説をしていた姿だ。汎米大会や世界選手権でメダルを獲得するなど、女子体操界を牽引してきた二人が、今回は背後から選手を支援する立場に立った。
 二人は女子個人総合で銀、跳馬で金を取ったレベッカ・アンドラーデと同じクラブの先輩で、幼い頃のレベッカや手術を乗り越えて今に至るまでの歩みを見てきた。だから、彼女の演技を手に汗握る思いで見入り、金と決まった瞬間はわが事のように喜んだ。
 三人の先輩でブラジルの黒人女子初の世界選手権金メダリストのダイアネ・ドス・サントスは、レベッカが個人総合で銀を獲得した瞬間に涙したという。五輪で五つの金メダルを持つルーマニアの元体操女王ナディア・コマネチが「あなたは歴史を作った」という祝辞をレベッカに贈った話なども感動を呼んだ。
 7度目の五輪出場を果たした女子サッカーのフォルミーガや乗馬のロドリゴ・ペッソアに、女子では最高齢の40歳でメダルを獲得した女子バレーのカロル・ガタスがいる一方、母と一緒にプレーした選手達と同チームで五輪初出場を果たした若手もいる。
 ノックアウトで金を獲得したエーベル・コンセイソンがボクシングを始めた貧困層向けの社会プログラムからは、彼以外にも2人のメダリストが出ているとの話も立派な取り組みとして注目された。
 コロナに感染し、自宅傍の空き地で黙々と練習する様子を映した動画が人気を得た砲丸投げのダルラン・ロマニは、当日こそ4位で終わった。だが大会後、パリに向けて30万レアルの支援を獲得など、涙や喜びの話題は尽きない。
 パラリンピックでもベテラン、新人が新たな人間模様を描き出すはず。最後の調整中であろう一人ひとりに心からのエールを贈りたい。 (み)

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