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《サンパウロ市》空港などの水際対策解除=コロナ禍の感染状況改善で=感染抑制努力は継続が必要

水際対策が解除されたコンゴーニャス空港(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 サンパウロ市が15日、新型コロナの感染拡大抑制のために5月に導入した空港やバスターミナルなどでの水際対策を解除したと18日付現地サイトが報じた。
 コンゴーニャス空港や主要バスターミナルでの水際対策は、インド起源のデルタ株感染者が確認された5月に始まった。国内外からの変異株感染者の流入防止のために導入された水際対策は、感染状況の改善により、約5カ月間で役割を終えた。
 コンゴーニャス空港ではこの間、55万5700人が体温チェックやPCR検査を受け、157人の感染が確認された。航空機7816便の機内チェックも行われた。
 同様の措置はチエテ、バラ・フンダ、ジャバクアラの主要バスターミナルでもとられ、21万3096人が体温チェックなどを受け、53人の感染が確認された。また、1万8020便のバスが監査対象となった。
 サンパウロ市保健局健康監視対策班は啓蒙活動として、フェルナン・ジアス道の貨物ターミナルと地下鉄3駅(ヴィラ・マチルデ、ペーニャ、アルトゥル・アルヴィン)、バスターミナル(ブラス、パリ)で、発熱などの症状のある人2万3713人の検査を行い、10人の感染を確認している。
 マナウス起源のガンマ株やデルタ株は感染力が強く、世界的な脅威とされたが、ブラジルではワクチン接種の進展やガンマ株による感染急増で抗体を持つ人が増えていた事などで、デルタ株の大流行を回避できたようだ。

 人口比からみて感染者や死者が最多でも不思議ではないサンパウロ州では、10~16日(感染学上の第41週)の感染者が前週比52・1%減の6616人で4位、死者も同44・1%減の379人で2位だった。このことから、ワクチン接種や検査を含む防疫対策推進が、感染拡大抑制の基本である事がうかがわれる。
 逆に、第41週の感染者が前週比で84%増、死者は倍増のロライマ州は、ワクチン接種実施率が低く、感染再燃の可能性が懸念されている。
 第41週の州別感染者はパラナ8659人、ミナス8203人、リオ7182人、サンパウロ6616人、ゴイアス6385人と続き、リオ・グランデ・ド・スル、連邦直轄区、サンタカタリーナ、エスピリトサントも4千人台を記録した。
 死者最多はリオの405人で、サンパウロ379人、パラナ283人、ゴイアス227人と続く。ミナス、サンタカタリーナも100人台だった。
 感染者と死者の双方が前週より増えたのはマット・グロッソ・ド・スルとリオ・グランデ・ド・ノルテ、ロライマの3州だが、感染者増は計7州、死者増は計10州あり、まだまだ、2度目の接種推奨などで感染抑制に努める必要がありそうだ。

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