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中沢宏一さん=自宅敷地を「オイスカ公園」に=市などと協力して市民広場建設

「オイスカ広場」と命名した広場(左から3番目が中沢さん)

「オイスカ広場」と命名した広場(左から3番目が中沢さん)

 サンパウロ州アチバイア市在住の中沢宏一さん(79歳、宮城県出身)が、自宅の敷地内に新しい市民広場を建設するため、10月から土地の整備に着手した。以前から構想していた「スポーツと健康生活計画」を実現するために始めたもので、アチバイア市役所と同市タンケ地区の住民も参加、協力している。11月3日には旧知の友人たちが見学に訪れ、40年前に植樹して30メートル以上の高さに生育したユーカリの切り株を囲み、「オイスカ公園」との命名式を行った。
 中沢さんは29年前から同地に「中沢スポーツ教育センター」を開校し、日本からのサッカー留学生を受け入れ、ブラジルの著名なサッカークラブと交流しながら民間レベルで日伯の友好関係を深めてきた。
 当時、個人でサッカー施設を作ったことはブラジルでもパイオニア的存在で、地元の人々にもサッカー場を開放し、スポーツを通した青少年育成にも力を入れてきた。

中沢さんの敷地内の地図に記されたオイスカ広場や子供の森

中沢さんの敷地内の地図に記されたオイスカ広場や子供の森

 現在、同センターには公式サイズのサッカー場が一面、他に大小のトレーニング用のサッカー場があり、周囲は原生林や植林した木々に囲まれ、自然豊かな練習場となっている。
 そのサッカー場の合間の土地に、多目的ホールや遊歩道などを設置し、「オイスカ公園」と命名した新しい市民の憩いの場を作ろうとしている。同時に、自然体験ができる「子供の森」造成も計画している。
 「オイスカ公園」と名付けるきっかけは、27年前に同地を訪れた日本のオイスカ・インターナショナルの故・中野良子総裁に由来する。当時、中野総裁はイペーの記念植樹を行い、現在まで季節になると鮮やかな黄色い花を咲かせている。
 中沢さんのビジョンは、オイスカの活動理念である「植林や農業を通した青少年の教育と育成」「地域社会の発展に貢献」などと通じるため、日本のオイスカとの連携を模索したいとの思いもある。

アチバイアFCの選手を送迎するバス

アチバイアFCの選手を送迎するバス

 「ブラジルでは青少年のドラッグ使用が大きな問題になっています。スポーツ施設で若者がエネルギーを発散し、家族の憩いの場としても市民が利用できる場を設けることで、社会問題の解決につなげられたらと思います」と中沢さん語る。
 長年、アチバイア市と連携して様々な活動に取り組んできたことから、今回の構想も行政から賛同を得て、重機を使用した土地の整備にはアチバイア市が積極的に協力してくれた。敷地内には、既にジャブチカーバやピタンガ、アロエ、オラ・プロ・ノービスなどの果物や有用植物を植え始めている。
 宿泊施設も備えた中沢スポーツ教育センターは、3年前からアチバイア・フットボールクラブの活動拠点としても利用されている。アチバイアFCは、去年、サンパウロ州の3部リーグから2部リーグに昇格し、地元の期待を背負うサッカークラブとなっている。

緑に囲まれたサッカー場

緑に囲まれたサッカー場

 「このように新しい取り組みができるのも、地域住民との信頼関係があってのことです。近頃は『何かに守られている』と感じること、意識することがよく起きるのですが、今までの経験や知識だけでは説明が出来ないものです」と感じている。
 以前はサンパウロ市でブラジル日本都道府県人会連合会会長など、様々な活動を行ってきた中沢さん。現在はコロナ禍が後押ししてアチバイア市の自宅中心の生活となったが、ポストコロナに向けて全力投球の日々を過ごしている。

 

 

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