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《特別寄稿》迫り来る外国人高齢化問題=老人ホーム新設実現に邁進=愛知県在住  林 隆春

年齢別在留ブラジル人数推移(全国)

 1985年、ブラジルが軍政から民政に移行して始まった政治経済の大混乱、デカセギ現象はここから出現、今日に至っています。
 現在の在日ブラジル人の年齢別人口は、図に示した通りです。子どもは二重国籍、高齢者は一世で日本国籍取得者が統計より多く、日本入国時は日本人として入国するため正確な数を把握することは困難です。
 1985年から1990年までは一世とその配偶者、その扶養者しか来日出来ず、1990年6月より定住者のビザが発給されることで一気に来日者が急増したのです。
 当初、数年間稼いでブラジルに帰国する本来のデカセギ予定が、5年経っても10年経ってもブラジル経済が回復せず治安も悪化、加えて汚職も蔓延、多くの人たちがブラジルに帰りそびれることとなりました。
 ブラジルへの戦前移民は1920年から1930年代前半に多く、戦後移民は1950年代に移住し辛酸をなめた人たちも多かったと言います。
 現在、日本にいるデカセギの中の二世世代が70歳台と日本国内において老境に入り、日本の福祉世代となりました。ですが、日本語も弱く、福祉の網の目から漏れる人が多数出現しています。

 外国人の高齢化問題の火が足元まで忍びよっている今、5~10年後は燎原の火となることは間違いありません。日系ブラジル人の多くが老後に不安そして恐怖を感じています。
 日系人のみなさんの多くが厚生年金加入期間15年以内、これで老後を過ごすことはほぼ無理です。ほとんどの人は無力な自らを嘆き、刹那的な生き方で過ごすこととなります。
 少しでも明るい未来を描けないものかと無い知恵を絞り呻吟していたところ、朗報が入りました。社会福祉法人千葉育美会から2022年7月に千葉県木更津市に特別養護老人ホームを新設するので旧施設を廉価で譲渡していただけるというのです。
 1988年開設、築33年の木造回廊式の建物で、夫婦でも入居可能、59室の老人ホームです。現代の設置基準、リフォームを施すのに1億円程の費用負担は必要ですが、少し明るい未来が見えてきました。しかし、課題は山積しています。
★周辺住民の同意が得られるのか(外国人に対する偏見)
★日系人は木更津市にはごく少数しかおらず、中部、北関東の人たちが大多数入所することになるが木更津市は同意してくれるのか。
★増改築に補助金はないが、資金をどのように確保するか。
★地域の福祉計画に整合性がとれない。変更には時間がかかる(数年)
 難しい課題が突き付けられていますが、一つひとつ解決し、実施に向け進んでまいります。

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