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100周年事業「総花的」=「箱物」伯側と検討=21世紀協議会=日本側座長=取捨選択の必要強調河村衆議が会見

2005年11月25日(金)

 日伯二十一世紀協議会の日本側座長を務める河村建夫衆議院議員が二十三日、リオでの第一回会合に先立ち来聖した。河村議員は開拓先没者慰霊碑、日本移民資料館などを訪れた後、同日午後に文協で会見。協議会の今後の展望、日本移民百周年についての日本側の考えなどを説明した。
 きのう二十四日に始まった二十一世紀協議会の第一回会合は二十五日のきょうもリオで開催されている。 今年五月の発足以来、両国のメンバーが一堂に会するのは初めて。ブラジル側からは、日伯EPA(経済連携協定)交渉やエタノールの対日輸出など産業分野の提案が議題に上ると見られている。
 バブル経済の崩壊後、停滞を続けてきた日伯関係。河村議員は「景気が落ち着くにつれ、企業の目もブラジルに向く機運が出てきている。百周年を節目にして日伯関係を元に戻す必要がある」と期待を表わした。
 日本移民百周年にともなう二〇〇八年の日伯交流年事業については「日伯百年の意義を両国間で意識して両国国民全体でやれる形が大事」と強調。その最初の話し合いとなる今会合に向け「先人の苦労が現在の日伯関係につながっている。それにふさわしい事業はどれか、両国間で話し合いたい」と日本側としての考えを説明した。
 例として日本からの技術移転や大学などの人材交流の可能性を挙げたほか、在日ブラジル人コミュニティが果たす役割についても言及。「日伯交流の深さを両国国民、若い人たちが意識する必要がある」と語り、百周年に向け日伯双方がお互いの理解を深める必要があるとの認識を示した。
 また、この日の日系団体代表者との懇談で百周年事業への要望が出たことを明らかにした上で、記念事業計画が「総花的」として「取捨選択の必要がある」と指摘。
 中でもいわゆる「箱物」に関して、予算獲得上の問題を挙げたほか、「こうした大きなプロジェクトは国と国との問題。ブラジル側が国としてどう考えているか、話し合いをしてみないと分からない」と述べた。
 このほか、パラナ州の百周年事業として連邦技術大学設置への支援要望が出ていることについては「日本側で出す場合、予算など相当の検討が必要だと思う」と述べた。さらに「一地方の問題ではない」として、日伯両政府で今後話し合いを進める必要があるとの考えを示した。

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