短歌

  • ニッケイ歌壇(505)=上妻博彦 選

    サンパウロ  坂上美代栄

    札束を吐き出すパイプ写されし汚職まみれのペトロブラスよ
    大物に小者絡まりあばかれしあちらこちらに火の粉が散れる
    汚職の根掘れ

  • ニッケイ歌壇(504)=上妻博彦 選

          ソロカバ       新島  新 為せば成る為さねば成らぬとは申せ一首なすにも苦心惨憺五キロほどペダル踏むにも息が切れ一首詠むにも青息吐息自腹切る訳ではないがこの長雨で野菜値上りするを心配

  • ニッケイ歌壇(503)=上妻博彦 選

    サンパウロ  武田知子

    家元ゆ新代表の派遣とて茶道の普及多岐にわたれば
    伯栄庵せましとばかり参加せる和服はなやぐ絹ずれのして
    お茶席に供する菓子も

  • ニッケイ歌壇(502)=上妻博彦 選

    アルトパラナ  白髭ちよ

    幾日もの闘病生活空しくて友は一人黄泉への旅に
    眠る如安らかな面(おも)の美しく並み居る人等に安堵与える
    のうそん誌を繰り

  • 秋篠宮殿下と紀子妃殿下が、ブラジリアで連邦議会主催の日伯外交樹立120周年記念式典に参加されるため10月28日に来伯、11月8日までの間に10都市を訪問された。

    ニッケイ歌壇(501)=上妻博彦 選

    サンパウロ  武田 知子

    プリンスの赤い絨毯踏みしめ来、行啓ほぎて握手交はせり
    すがすがしき微笑受けつつ握手せる紀子様の手の温みじんわり
    広島の神楽公

  • ニッケイ歌壇(500)=上妻博彦 選

    バウルー  小坂 正光

    渡伯時に生れし末弟を伴いて八十五年の廃耕地訪う
    コーヒーの樹海で栄えしノロ線の末弟生れし廃耕地訪う
    生れ出て人生一と幕老いの坂

  • 『弓場』とは、サンパウロ州ミランドポリス市にある日系コミュニティの弓場農場のこと。1935年に戦後移住者によって創立。日系人や日本人が共同生活をしながら自給自足の生活を送っている。また創立当初より「耕し、祈り、芸術する」をモットーとしており、テアトロ(劇場)もあり、恒例の年末公演では音楽や芝居、バレエなどが披露される。(写真は2014年の年末公演)

    ニッケイ歌壇(499)=上妻博彦 選

    サンパウロ  武田 知子

    はるばると六百キロのバスの旅春泥の中弓場の土踏み
    稚鴎師の百歳祝いにボーロ切る姿は凛々とまぶしかりけり
    弓場の里稚鴎師迎え百

  • ニッケイ歌壇 (498)=上妻博彦 選

    サンパウロ  梅崎 嘉明

    電柱を巻きてサンジュオンの蔓は伸び天に向いて紅花をささぐ
    ああ今日も平凡にして一日過ぐ昨日と同じ食事を並べ
    先妻を亡くし再婚

  • サンパウロで開催される県人会連合会主催の日本祭では、各県人会が郷土食を販売するコーナーが大人気。日本人、日系人だけでなく非日系人も競うように求め、ブース前には行列ができる。

    ニッケイ歌壇 (497)=上妻博彦 選

    サンパウロ  武地 志津

    郷里より届きたる本「伊勢神宮」開けば爽快の気われを包みぬ
    参道の砂利踏む音のさくさくと正に聞こゆるごとき写真に
    幼時より思い

  • ニッケイ歌壇 (496)=上妻博彦 選

    サント・アンドレー 宮城あきら

    沖縄のゆくえ如何にか明日暗き辺野古の海に招かざる基地
    全国土の六パーセントに過ぎさりしわが故郷に基地がひしめく
    国防は

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