短歌
-
ニッケイ歌壇(513)=上妻博彦 選
サンパウロ 水野 昌之 亡国の汚職と不正にまみれたるジウマの政権崖っぷちに立つ土壇場なお強気の女大統領連立与党の三下り半受く大統領の休職議決の一瞬を国民待てり真夜中過ぎても贈収賄
-
ニッケイ歌壇(512)=上妻博彦 選
サンパウロ 武地 志津 なお続く地震活動見舞う雨土砂災害の不安は消えず土地ずれて畠触れぬと農民の苦悩の表情ただに痛まし駆けつけしボランティアの人々ら散らばる瓦礫順次片付く水道電気
-
ニッケイ歌壇(511)=上妻博彦 選
バウルー 小坂 正光 二十歳にて人生の目的何ぞやと求道青年宗教書読破す宗教書全てを読めど青年は悟りに至らず断食をなす三度目の断食なすうち青年は心の内にひらめきを得る人生の悟りは
-
ニッケイ歌壇(510)=上妻博彦 選
アルトパラナ 白髭 ちよ 世界でも類なき大きなデモ行進おどろきて見入るテレビの前で斯く迄に人に嫌われし大統領ルーラを庇う愚かな行為リオ五輪まじかに控え此のさわぎジウマ罷免は世界にひ
-
ニッケイ歌壇(509)=上妻博彦 選
サンパウロ 梅崎 嘉明 ジカ熱媒介の蚊の撲滅に医学薬学新プロジェクト吸血の蚊は雌のみと発見し雌雄の行動を遺伝子に組む遺伝子に組みかえし雄を培養し交尾で生れし幼虫は死すとかブラジル
-
ニッケイ歌壇(508)=上妻博彦 選
サンパウロ 武地志津
窓枠に小鳥囀るしばしの間硝子にふたつの影を映して
塵(ちり)ほどの小(ち)さき蟻たち煩(うるさ)きと思いおりしに消えれば気になる -
ニッケイ歌壇(507)=上妻博彦 選
サンパウロ 武地志津
息子夫婦孫ら加えて六人の家族集えり大晦日の夜
手巻寿司馳走するとて余念なく下拵えに精出す息子
高層のビルの向こうに威勢よく上がる花火を -
ニッケイ歌壇(506)=上妻博彦 選
サンジョゼドスピンニャイス 梶田 きよ 本当を「ほんま」というのは京都弁ただなつかしくホンマかなこれ『談論風発』覚えし頃はうれしくてやたら使いし談論風発死ぬことに悲しみ覚えることもない年はとって