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高齢者福祉 各国日系共同体の実状

高齢者福祉 各国日系共同体の実状(5)終=―パラグアイ・アスンシオン―=65歳以上は平均14%=まだ若い日系社会 問題はこれから

5月21日(水)  二〇〇一年一月、パラグアイ日本人移住の草分けである笠松尚一氏がアスンシオンで死去した。九一歳。同国最初の日本人移住地、ラ・コルメナ移住地の創設に携わり、戦後も長年にわたりパラグアイ日系社会とともに歩んできた先人の死であった。移住開始から今年で六十七年。一世世代の高齢化が進む中、晩年の笠松氏が力を注いだのが「パ ...

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高齢者福祉 各国日系共同体の実状(4)=アルゼンチン・ブエノスアイレス=必要叫ばれて10数年=十分といえない対策

5月20日(火)  在亜日系社会において高齢者福祉対策の必要が叫ばれるようになってから十数年になるが、その対策は今でも緒についているとは言えない。漸く『福祉』の意味が分かりかけてきたという段階にある。  在亜日系社会が高齢化の時代を迎え老人福祉が日系社会の福祉問題となった時、日系社会が考えたのは日本政府の援助で日系人用の『老人ホ ...

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高齢者福祉 各国日系共同体の実状(3)=米国・シアトル=ホーム「敬老」に高い評価=入居者家族の信頼も厚く

5月16日(金)  日系移民の歴史が最も古い地域のひとつに数えられるワシントン州シアトル市では、非営利団体「日系コンサーンズ(Nikkei Concerns)」を中心に日系高齢者の総合的援助が推進されている。  同団体は老いつつある日系一世たちを案じた二世の有志七人(赤井グレン、門島ハリー、風間サリー、森口富雄、岡本トシ、高江須 ...

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高齢者福祉 各国日系共同体の実状(2)=米国・サンフランシスコ=住みにくくないが高額な費用=言葉や食事も問題

5月15日(木)  サンフランシスコ・ダウンタウンから地下鉄で約三十分南東へ行くとヘイワード駅がある。そこから車で約五分の共同介護住宅「サイプレスハウス」を訪れた。この施設は日本でも話題になっている米国版グループホームである。現在の入居者は十二人で、十二人のスタッフが三交代で二十四時間、世話にあたる。 サイプレスハウスを初めて訪 ...

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高齢者福祉 各国日系共同体の実状(1)=カナダ、バンクーバー=ケア付き住宅「日系ホーム」=入居者へ細やかな気配り

5月14日(水)  今年の海外日系新聞協会共同企画は「高齢者福祉」である。各国日系社会の高齢者福祉の現状はどのようになっているのか――加盟十九社(ラジオ二社を除く)に報告・執筆を呼びかけたところ、北米報知社(米国・シアトル)、日米タイムズ(米国・サンフランシスコ)、バンクーバー新報(カナダ・バンクーバー)、日系ジャーナル(パラグ ...

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