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聖州が黄熱病危険地帯に=予防接種はAMAかUBSで=60歳以上は内科医の許可を

予防接種に多くの人が並んでいる(Rovena Rosa/Agência Brasil)

予防接種に多くの人が並んでいる(Rovena Rosa/Agência Brasil)

 60歳以上の人が黄熱病予防接種するときは内科医の許可が必要――WHO(世界健康保険)が16日、聖州全域を黄熱病感染危険地帯に指定したのを受け、当地のテレビでは予防接種のニュースで持ちきりだ。聖州政府は聖市・州内で黄熱病予防ワクチン接種のキャンペーンを1月26日~2月17日に実施する。聖市内では25日に南、東部から始まり、他地域はその後。予防接種が受けられるのは保健所(UBS)か救急診療所(AMA)なので、最寄りの施設に問い合わせすること。リオ州では1月25日から、バイーア州では2月19日~3月9日に行われる。

 サンパウロ日伯援護協会の内科医、身吉リディア・ミネさんは現在流行っている森林型黄熱病について、「ウィルス性の病気なので初期症状は発熱、嘔吐、倦怠感、筋肉痛など。黄疸が出るのは肝臓がおかされるなど重症の場合」と説明した。潜伏期間は通常3~6日となるそうだ。
 そのほかの症状として腎臓、呼吸器などの臓器の機能低下、鼻や歯肉、子宮からの出血、嘔吐や吐血など。治療をせずに重症となった場合、50%が死亡する。
 60歳以上の高齢者が黄熱病予防ワクチンを接種する場合は内科医の許可が必要だ。「糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある人、癌や臓器移植で免疫力が低下している人のワクチン接種は難しい」と語った。
 黄熱病接種キャンペーンで投与されるワクチンの有効期間は8年程度。身吉さんによると「有効期間が短くなるだけで、効力が低いというわけではない」とのこと。
 戦後移民の渡航時の黄熱病予防接種に関し、JICA横浜の海外移住資料館に問い合わせたところ、1959年の『移住執務提要』によれば、移民は伯国到着後、水上署で検閲を受けた後に黄熱病予防注射が行われ、入国が許可されていたとの記述があった。この通りに実施されていれば、戦後移民は黄熱病予防接種を受けてから上陸した。
 在聖総領事館の邦人保護班はWHOの発表を受け、「日本から聖州を訪問予定の方は、予防接種の実施を行っていただくと共に、十分な防虫対策等の徹底をお願いします」と呼びかけている。
 黄熱病は黄熱ウィルス感染によって起きる感染病で、感染した蚊に刺されることで感染する。重症患者に黄疸が見られることから命名された。伯国では1685年にペルナンブッコ州で最初の感染者が確認され、その後サルヴァドールにまで達し、900人もの死者を出した。


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 WHOは2016年7月11日から黄熱病予防接種証明書(イエローカード)の有効期間を「生涯有効」としている。同日付以前の有効期限のイエローカードでも有効となる。日本の厚生労働省検疫所の資料によると、高齢者が予防接種した場合、「重いアレルギー症状(5万人中1人)、神経障害(12万人中1人)、内臓障害(25万人中1人)」など重い副作用が出る場合がある。多器臓不全が起こった場合は死亡率50%。2回目以降の接種では、1回目の接種に比べて重い副作用は起きにくいとされているが、やはり注意が必要とのこと。援協で予防接種が可能か診断できるので、気になる人は援協(11・3274・6500)まで。

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