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特別寄稿

追悼寄稿=詩作に情熱を燃やした=詩人大浦文雄の晩年 伊那 宏

去る12月7日、スザノ福博村の大浦文雄氏が亡くなられた。享年96歳であった。 氏は多方面に活躍された方で、ある面「コロニアの顔」として、日系社会の、特に福祉活動に力を注いでおられたのは周知のことである。 しかし、こういった公人とは別に、氏が個人的にライフワークとしておられたものに文芸活動がある。文芸と一口に言っても幅は広いが、氏 ...

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特別寄稿=日本ポーランド友好物語=語り継がれるシベリア孤児救済 サンパウロ市在住・酒本恵三

 「ポーランド」と言われて、皆さんは何を思い浮かべられるでしょうか。  ポーランドを訪れてこの国を知れば知るほど、この国の人々の日本への好意が、他の国とは違うものであることを感じ、思わず胸打たれることになるでしょう。  なぜポーランドの人々は、それほどまでに日本に好意を抱いてくれるのか。その背景には「歴史」があります。 シベリア ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(22)

占領政策の転換と朝鮮戦争  国際連合(国連)が、終戦直後の1945年 10月に、2度の世界戦争を反省し、戦争を防ぐための国際組織として結成された。国際連合は英語でUnited Nationsと言い、第2次世界大戦時の「連合国」のことで、戦争で戦勝国となった連合国側が、戦後も世界の秩序の指導的立場を維持する為に作った組織である。 ...

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【特別寄稿】コロナ明けに行きたい博物館=コーヒーの歴史と魅力堪能=サンパウロ・ヴィラカロン在住 毛利律子

案外難しいコーヒー作り  ニッケイ新聞11月14日号に、カフェ・ファゼンダ・アリアンサ社の新商品「ドリップバッグ・コーヒー」のことが紹介された。私は幸運にも、この記事より一足先に商品を味わい満喫している。早速、その会社のネットサイト(https://cafefazendaalianca.com.br)をのぞき、興味深い話を見聞す ...

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特別寄稿=『余は至高の総統なり』出版へ=翻訳後に幾多のハードル= パラグァイ在住 坂本邦雄

原著者のアウグスト・ロア・バストス氏(FF MM, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 私は、特技としての西語から日語及び、逆に日語から西語の両翻訳業を長らく、移住事業団(JICA)、搾油会社(CAICISA)や、最後は住友商事のサラリーマン時代に、副業の様にしてやってきた。  そのためには、古くからアスンション市の最高裁判所において、公証翻訳人の登録(15番)もして居た。  だが、もう齢も歳だしこれ以上、余り出 ...

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特別寄稿=中南米に生きて60年=移民の動機と最初の生業—キノコ栽培への挑戦=元JAIDO及びJICA農水産専門家 野澤弘司=(下)

寄港地で臨機応変に観光バイト  なけなしの携行資金U$80と、出港間際に親戚や知友からの餞別を合わせただけの所持金では、移民船で2カ月間航海する間、これから10か所余りの寄港地での飲食代、交通費や土産物を賄うには厳しいという現実に直面しました。  そこで対処策を考えた結果、本船の寄港地はロレンソマルケスがポルトガル語以外は英語圏 ...

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特別寄稿=中南米に生きて60年=移民の動機と最初の生業—キノコ栽培への挑戦=元JAIDO及びJICA農水産専門家 野澤弘司=(上)

栃木の寒村で鉄道員の家に生まれて  今なお世界を震撼させ、終息がおぼつかない世紀のパンデミック、新型コロナウイルス禍に遭遇して、日暮し在宅自粛を余儀なくされ無為に過ごすのも心許ないので、中南米に生きた60年を追憶し、私がブラジルに移民した拙い動機や初期の生き様を寄稿させて頂きます。  私の生れは栃木県鹿沼市に近い寒村で父親は鉄道 ...

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特別寄稿=29日は市長の決戦投票日=成るか左翼の政権奪還=サンパウロ市在住  駒形秀雄

 今週末29日(日曜日)には、サンパウロ市を含む全国の市長を決める決戦(第二次)投票が行われます。  「何だ、たかが地方の市長選挙か」と侮ってはいけません。  サンパウロ市の場合、800万人の有権者が参加する大選挙なのです。  選挙前の予想を覆して現在、決選投票に残ったのは、A) 市長現職のブルノ コーバス氏と、B) 社会派で、 ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(21)

終戦を巡る外交と日本の敗戦  1945年2月、ソ連領クリミヤ半島のヤルタに米英ソ3国の首脳が集り、連合国側の戦後処理を話し合った(ヤルタ会談)。ここでアメリカのルーズベルト大統領は、アメリカの負担を減らす為、ソ連の対日参戦を求めた。  ソ連のスターリンは、ドイツとの戦争が終わってから3カ月後に参戦すると回答した。その代償として、 ...

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特別寄稿=米国しのぐ一等国になれる=日本式しつけをブラジルに=サンパウロ市在住 坂尾 英矩(ひでのり)

 日伯修好125年移住112周年となり、日系社会はブラジルの中産階級に定着して国民からの信用が厚いのは誠に喜ばしい限りです。  近頃非常に少なくなった一世たちは、もう孫の時代になると日本語は通じなくなるし、子供たちの国際結婚が増えて淋しくなるが時代の波で仕方ない、という嘆きを時々耳にします。  しかし私は、人間とは環境の動物です ...

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