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「100年祭」に向け準備を=ブラジル日本文化協会会長 岩崎秀雄

2003年1月1日(水)

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。輝かしい二〇〇三年の新春を迎えまして、日系コロニアの皆様方のご健勝とご一家のご繁栄を心からお祝い申し上げますと共に、旧年中当ブラジル日本文化協会に対するご支援とご協力に厚くお礼申し上げます。
 私共文化協会では改革を求める声が強くなり、昨年文協改革委員会が発足し会議を重ねており、云われている主なことは「コロニアは既に三世四世の時代に入っている。彼等の大部分は日本語を読めず、話もあまり細かい話は出来ない。よって文協はブラジル語を主とし、三世四世に運営をまかすべきだ」と云うことであります。
 それは確かにそうでありますが、心配されるのは日本語や日本文化離れに拍車がかかり、日系人が完全にブラジル人と同じになってしまうことです。現在日本人の評判が割合良いのは、日本人の良い処として一般ブラジル人も認める美点を受けついでいるからでありましょう。
 ブラジルに於ける日系人の総数は、日本移民百年祭の二〇〇八年には百五十万になっているかも知れません。これだけの日系人が一国の中にいるのは世界中でブラジルだけであります。
 この貴重な存在に対し日本の政府も民間もよく将来のことを考え、日伯学園構想や高齢者対策、出稼ぎ問題等日系コロニアの抱えている問題に対し暖かい御配慮と御支援をお願い致したいと思います。
 日系社会は六月十八日を以って満九十五周年を迎え、諸団体が記念事業をおこなうことになっておりますが、最大の関心事は五年後に迫った「日本移民百周年祭」でありましょう。
 二〇〇一年十二月には日本移民百周年に向けて準備委員会が発足し、今迄の処、準備委員会の組織作りと内規作成に費いやされて参りました。これで活動するための基礎的条件は整いましたので、本年からは具体的な計画が進められるものと思われます。
 コロニアが取り組む今世紀最大の催し「移民百年祭」に、皆様あげてのご支援、ご協力を切にお願い申し上げる次第であります。
 この正月は、二期四年つとめた文協会長として最後の正月になりますので、甚だ僣越でありますが好きな言葉を三世、四世へのはなむけとして書かせて頂くことをお許し下さい。
 「暮しは質素に、     惟いは高く」
 最後に二〇〇三年が日系コロニアの皆様にとりまして良き年でありますよう祈念致しまして新年のご挨拶とさせて戴きます。
  平成十五年元旦

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