樹海

2003年1月1日(水)

 明けましておめでとうございます。平成十五年の幕が開きました。日本は江戸幕府が開かれてから四百年を迎え盛大な記念祭が計画されたり何かと賑やかな年になりそうです。今から百年前には三百年祭が賑々しく行われ当時は皇太子であった大正天皇も式典にご臨席になり朝野を挙げてのお祭りだったと記録されています。こうした慶事ばかりならいいのですけれども、北朝鮮の核開発や拉致など厄介な課題も多くあります▼世界に目を向ければ米のイラク攻撃も充分に考えられます。ブッシュ大統領の腹積もりは「フセイン政権の打倒」と見て間違いありません。これに関連して日本は後方支援の線を打ち出しており既にイージス艦などをインド洋に派遣しているし更なる強化も覚悟した方がいいように思います。もう一つ大切なのは昨年の暮れに米大統領がミサイル迎撃網を〇四年から配備するの声明を発表したことです。これにも日本は開発研究に関与していますし重大な関心を抱かざるをえません▼イスラエルとパレスチナの騒乱。国際テロへの抗戦も続くでしょうし、所謂─南北問題も全地球が取り組むべき課題です。南アフリカのエイズ禍は悲劇として語られがちですが、アジアの国々の惨禍も見落とすわけには参りません。タイやインドも酷いものです。ブラジルはルーラ政権が誕生します。労働者党は左翼政党なために国際的な金融筋が当初は危惧したのですが、ドル高も落ち着いたようであり、余りに過激な政策はとらないと期待したいところです。コロニアは戦後移住が始まってから五十年の節目でありシンポや多彩な催事が予定されているようですが、単なる祭事に終わらせるのではなく後世にも語り継がれるような記念祭をと祈っております。    (遯)

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