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日系農協活性化センター 先端現場を視察(5)=カッポンボニート=活躍続ける農業組合=完成待つ自由型直売所

2月8日(土)

 セミナー最終日。かなり打ち解けた様子の一行のバスは今回の視察旅行の最終目的地カッポン・ボニート農協(CACB)に到着する。
 入り口を入ると、三基の巨大なサイロがその偉容を誇る。しかし、現在このトウモロコシ貯蓄用のサイロは使用されていない。
 収穫最盛期の今、収穫したトウモロコシは二十四時間フル稼働で乾燥させ、即時出荷しているからだ。
 一時間六十トンのトウモロコシを乾燥させるというから毎日、千四百四十トンのトウモロコシが同農協の門を出ることになる。
 一行はその生産量に感嘆の声を上げながら、普段は会議や青年会や婦人会などの催しに使われる会館へ。
 カ・ボニート農協の概要を映像化したビデオを観賞した後、岡村エミリオ会長が同農協の活動内容などについて説明、参加者の質疑応答にこたえた。
 昼食はカ・ボニート農協婦人部の手の込んだ様々な料理が並んだ。「米と肉以外は全て同地で取れたものを使用している」という新鮮そのものの食材と婦人部の料理の腕前にしきりにうなずく参加者も見られた。
 昼食会には伯父が旧コチア産組中央会の役員だったという田村ロベルト市長が訪れ、「コチア組合と日本人精神を受け継いで活躍するCACBは市の誇り」と同農協と市のつながりを強調した 敷地内にある巨大なジャガイモ保冷庫や苗を生産するビニールハウスなども視察し、組合員の熱のこもった説明に一行はメモを取ったり、質問したりしていた。
 同農協では以前は三十キロの種を五十ドルで購入していたが、研究開発の結果、現在では種の百パーセントを同農協で生産できるようになり、現在では同量の種を三十レアル程度で販売しているという。
 現在、敷地内の一角で直売所の工事が進められている。これは全国拓殖協同組合連合会(JATAK)が援助しているもので三月にはイナグラソンを行う考えだ。
 この直売所は組合員だけに限らず、生産者が自由に販売できる。目の前の街道は重要な幹線道路が走っており、組合員はこの直売所に大きな期待を寄せている。
 一行のバスは暗くなる前にサンパウロに着いた。参加者はお互いの名刺を交換し、再会を誓い合い、お土産のブドウとクリを手に帰途に着いた。
   (堀江剛史)

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