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商議所部会長懇談会―初めて一般公開―赤阪総領事有意義と評価

2月11日(火)

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)総務委員会(遠藤雅清委員長)は六日午後三時から六時半まで、サンパウロ市内の安田保険ビル講堂で『ブラジル経済二〇〇二年下期の回顧と二〇〇三年上期の展望』[一、ルーラ大統領指導下のブラジル政治、経済が各部会、各業界に与える影響について、二、日伯間の自由貿易協定(FTA)締結の必要性あるいは与える影響]というテーマで業種別部会長懇談会を開いた。赤阪清隆サンパウロ総領事、田中会頭、工藤章名誉会頭、能澤信一企画戦略委員長たち約八十人が参加した。
 この懇談会は今まで会議所会議室で開かれていたもので、今回初めて一般公開された。
 昨年下期は労働者党(PT)のルーラ候補優勢で、投資家のブラジル離れによりレアル崩落、株価崩落、インフレ再燃、金利高騰で企業はどこも苦戦した。今年上期はそのルーラ大統領が就任しオーソドックスな経済政策を進めており、経済が安定すると期待される。ただし、まだ一カ月なので楽観は許されない。
 日伯FTAについては、柳田武三貿易部会長が解説した。メキシコの失敗を繰り返さないように今から準備が必要との意見が出た。特に自動車業界から、米州自由貿易地域(FTAA)が〇五年に設立され、続いて欧州連合(EU)とメルコスルがFTAを形成すれば、欧米製品が無税でブラジルに入ってくる。そうなれば、日本企業は自動車組み立て工業だけでなく部品業界も関税がかけられ、現地調達を強いられ苦しむことになるとの指摘があった。
 赤阪総領事は開かれた会議所を印象づける有意義な懇談会と評価し、「ブラジル経済は、期待と不安が錯綜していることが分かった。FTAについては、三月十七日から開かれる日伯経済合同委員会に働き掛け、日伯合同FTA研究会を発足させ、日本政府に中南米の声を届かせることが重要」とアドバイスした。
 田中会頭は、「これからも重要な問題を取り上げていく。会員に役に立つ会議所になるよう心掛ける」と締めくくった。

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