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「遺伝子組み換え大豆は安全だ」=弁護士の立場から強調=悪影響はなにもない=フクマさん 管理体制こそ大事

3月21日(金)

 遺伝子組み換え作物をめぐる論議が高まりを見せている。南大河州では先日、同州で生産される大豆の約四割が遺伝子組み換え大豆であることが判明。十八日には農務大臣が組み換え大豆の生産、輸出を容認したと報道されるなど、ブラジル国内でもこの問題に対する関心は高い。そんな折、サンパウロ弁護士協会で消費者問題に取り組むパトリシア・フクマ弁護士が本紙を訪れ、組み換え作物の安全性を訴えた。
 フクマさんは現在、サンパウロ弁護士協会の消費者委員会で遺伝子組み換え作物の問題に取り組んでいる。以前は食品製造会社で組織するブラジル食品工業協会(ABIA)の弁護士を務めていた。
 フクマ弁護士は、アメリカの遺伝子組み換え作物生産が二十年間、FDA(連邦食品医薬品局)の厳しい基準をクリアしながら続けられている事実を挙げながら、その安全性を強調する。さらに、ブラジルで現在食べられている作物にも少量ではあるが組み換えはあるとして、組み換え作物を安全な食料品として見るべきだとの立場を示した。
 一方で、組み換え作物への根強い反対の声もある。これに対してフクマ弁護士は「学術的な研究を見ると、組み換え作物による影響は起きていない。何か起きる可能性がある、というだけでは根拠がありません」と指摘、「重要な点は、問題が起きたときにすぐ対応できる管理体制を整えることです」と語る。
 ブラジルでは現在、公式には遺伝子組み換え作物の生産・販売を禁止している。しかし最近になって、国内で生産される大豆の約十%が遺伝子組み換え大豆であることが判明。その金額は十億レアルに上る。二種類の大豆を分類、管理するシステムがないため、国内に流通する大豆に組み替え大豆が混入しているかどうかは確認できないのが現状だ。
 現在の組み換え大豆問題の背景に、組み換え作物をめぐる国際市場の流れがあることも確かだ。
 バイオテクノロジーによる農業技術の進歩にともない、アメリカやアルゼンチンなどの大豆輸出国が遺伝子組み換え大豆への切り替えを進めている。フクマ弁護士は、国際競争という点からも組み換え作物の解禁を進めるべきだと主張する。弁護士はさらに、低コストによる大豆生産は、生産者だけでなく、将来的には消費者にもメリットをもたらすものだと語った。
 ブラジル連邦政府は先月、遺伝子組み換え大豆の今後の取り扱いに関する法整備の検討を始めた。農務省をはじめ関係省庁から構成される専門家会議がどのような判断を下すのかは現時点でははっきりしていない。

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