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世界の伝統料理を研究=羽熊さん、情報は足で稼ぐ=将来、料理専門家で独立を=いま、ブラジルに滞在中

4月10日(木)

 「所変われば味覚も変わる」ーー。世界各国の食文化を調べたいと、羽熊広太さん(二八、広島県出身)が二月末よりブラジルに滞在、タカカ、アカラジェーなどの伝統料理を研究している。
 食品加工が専門。これまでオーストラリア、アメリカ、中南米諸国を旅し、旅行先の伝統料理や生活習慣をホームページで紹介している。将来は料理専門家として独立するのが夢だ。「これまで調べたことをまとめられたら幸せ」と、書籍の出版も視野に入れる。 東京農業大学農芸化学部卒業。在学中特に、発酵食品に興味を持ち、自家製の漬物やワインをつくっていた。
 世界各国の食文化の調査をライフワークにしようと決意。休暇を利用して、インド、マレーシアなどアジア各地に食べ歩きの旅に出掛けた。
 「若いうちは体力的に自由がきくから、机に向かうよりは歩きたい」と、各種情報は足で稼ぐのが信条だ。
 卒業後一年間、オーストラリアに料理修行に向かった。中国系の日本食レストレンで皿洗いから、仕事を覚えた。
 その後、青年海外協力隊に応募。採用されて、グアテラマの国立の職業訓練所に配属された。二年間、食品加工に携わり、フルーツやコーヒーから砂糖菓子やワインをつくって、現金収入の道を探った。
 任期中には、国内の農村で巡回指導を実施したり、日本食の料理講習会を開くなどもした。
 鳥雑炊を取り上げ、だしにクレームがついて却下されたことも。
 一時帰国後、食文化を訪ねる旅を計画。米ロサンザルスを皮切りにメキシコ、ベリーズ、キューバ、ドミニカなどを回って、二月末ベレズエラよりブラジル入りした。
 マナウス、ベレーン、サルバドールを経て、このほどサンパウロ市に到着。同市では、ピラニアの刺し身などを食し、レシピや味覚をこまめに書き残している。
 今後、アルゼンチンやペルーにも足を伸ばす考えだ。来年は、中国に向かう。

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