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福岡県人会 執行部が空中分解?!=農業実習生中止問題=理事20人が辞任=現体制の総辞職必至か=24日の臨時総会で決定

5月8日(木)

 二十四年間続いていた農業実習生事業が今年中止となった件を巡り、執行部の責任が問いただされていた福岡県人会(渡辺一誠会長)は四日、非公式の合同役員会議を開いた。この席で副会長五人を含む理事二十人が辞任届を提出。これに伴って、渡辺体制に疑問を抱き離職を表明する理事は今後も相次ぐとする見方が強まっている。一方、執行部への不信感から、臨時総会の開催を求める県人会員の署名数も七日時点で百三人と定款上の有効数(六十人)を優に上回っている。二十四日に予定される臨時総会では、渡辺会長以下残りの執行部の総辞職も必至の状況だ。

 創立して七十三年。福岡県人会は全県人会のなかでも有数の規模を誇る。現会長の渡辺氏はサンパウロ大学バイオメジカ研究所の解剖学教授。科学博士の肩書ももつ。副会長には日系地場産業大手の行徳グループ社長・行徳直幸氏、文協第三副会長・松尾治氏らが並ぶ。松尾氏はすでに辞表を提出している。
 「親睦団体としての県人会に戻すことが本来の目的で、辞職要求は手段に過ぎない」。七日来社した県人会の脇田勅、中村勲の両顧問は元会長の立場からそう説明し、「実習事業中止の問題はきっかけになっただけで、これまでにもずれを感じていた」と語った。 
 四日の合同役員会は定款上にない非公式なもので、当日は渡辺会長への質疑に終始。会長は「(ほかの理事が辞職して)一人になっても止めない」との意志を固めているという。二十四日になる見通しの臨時総会が試練のときとなる。
 ただ、会長の右腕的存在とみられた宗友夫副会長が四日の役員会で辞表を提出するなど執行部は事実上、空中分解しており、現体制の存続はいずれにしても困難な状況となっている。
 また、懸念された一世と二世の対立について、脇田顧問らは「辞任した理事のなかには二世もいる」と否定している。

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