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直径60センチの巨大レタス=日系研究者の協力で開発

5月24日(土)

 冬期に低迷をみせる野菜市場に朗報――。日系研究者の協力により、普及品より葉数が多く、生育期間が長い巨大レタスがこのほど、アルフェーナス大学(MG)で誕生した。現在市場に流通している大型栽培品の結球が直径四十センチに対し、巨大レタスは直径六十二センチ。名前は「アニータ」にほぼ決定、来年あたりから市場に出回るだろうと、エスタード・デ・サンパウロ紙が報じている。
 開発した植物遺伝改良学のエルナーニ・クラレッチ・ダ・シルヴァ博士によると、「アニータ」は一つの球に約六十枚の柔らかい葉が付き、花芽分化(とう立ち)が始まると成長を中断、乳酸の発生による苦みを抑えるそう。
 「アニータ」は、レタスがすぐにとう立ちしてしまう夏期の栽培にも適している。エルナーニ博士によって開発された品種は夏場に五十五日周期で栽培できるという。「周期が終わっても、約十日間、アニータはとう立ちせずに成長し続ける」。冬期の場合、この周期は長くなる。
 エルナーニ博士は一九九四年、ノルテ・フルミネンセ州立大学(RJ)の博士課程論文課題としてレタス研究を開始。流通している五品種を四年間、七代にわたり掛け合わせて「アニータ」を作り上げた。博士の研究には、カンピーナス農耕経済機関(Instituto Agronomico de Campinas)の研究者、ヒロシ・ナガイ氏も協力しているという。

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