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バレーでも日本代表へ=低迷バレー界に新風=日系人が帰化申請中=スポーツ専門紙「ランセ」が大々的に報道

6月11日(水)

 日の丸を胸に世界に羽ばたきたい――。ブラジルやイタリアなど世界のバレーボール強国で活躍経験を持つ日系ブラジル人、マルコス・アウメイダ・エステベス(二九)がバレーボールの日本代表を目指して帰化申請中だ。ブラジルの有力スポーツ紙「ランセ」は八日付けの同紙で、マルコスの帰化申請を大々的に特集。「サムライの地で」との見出しとともに、日本刀を手にしたマルコスを取り上げている。

 一九七三年にサントアンドレー市で生まれたマルコスは、日系人の母を持ち、これまでにもバウルーやサントアンドレー、ナウチコなどの国内だけでなく、世界一レベルが高いと言われるイタリアセリエAのトンノカリポなどでも活躍。また、南米の国際大会でもベストレシーブ賞などを受賞するなど国際経験も積み重ねてきた。ブラジルでは「カレー」の愛称で知られている。
 マルコスの活躍を聞いた男子バレーボールの強豪堺ブレーザーズ(旧新日鉄堺)の関係者は二〇〇〇年に来伯し、マネジャーのロジェーリオ・テルオ氏にコンタクト。すぐに日本行きについて交渉が始まった。
 マルコスは「どうして(日本に)行かない理由があるんだい?」とブレーザーズ入りを決断。昨年九月に加入後、すぐに天皇杯でチームを十三年ぶりに決勝に導く原動力として大活躍。男子代表の指導者らが、低迷が続く代表チームのカンフル剤として、日本への帰化申請を勧めた。
 今年末までには法務省がマルコスの帰化を認める方針で、日本名は「スギヤマ・サン」。二〇〇四年のアテネ五輪出場権をかけて行われるバレーボールのW杯に日本代表として出場する予定だ。「僕の所に話しに来た監督も十二人の代表選手入りを保証してくれている」と話すマルコスは、出場権を得る上位三位入りを目標としている。
 「ブラジルと対戦することになれば、間違った側に立っていると錯覚しそうだね」と早くも母国との対戦を夢見るマルコス。
 サッカーだけでなく、バレーボールでもブラジル生まれの日本人が活躍する日は近い。

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