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コラム 樹海

 五十八年前のきょう六日は、広島に原子爆弾が投下された〃悪夢の日〃だ。三日後の九日は、長崎にも投下される。残忍非道にも三十余万の尊い生命を奪った。犠牲者は非戦闘員の老若男女、何の罪もない子供らにも及ぶ無差別殺傷である▼人類史上初の被爆国となった日本。人類史上最初の核兵器を使用した米国。被害国と加害国――戦争の名のもとにつくられた〃図〃とはいえ、この黒い史実は、永久に消すことはできない。恐るべき原爆投下のあと、世界は核軍拡競争に突入して行く▼半世紀を超す歳月をみながらいまなお核軍縮への道は遠ざかる一方である。核兵器をめぐっての紛争は絶えない。イラク戦争も〃核使用〃テロ組織の殲滅を掲げているし、北朝鮮の核兵器開発阻止が重要課題として浮上している。日本には作らず、持たず、持ち込ませずの非核3原則の理念がある。骨の髄まで核の恐ろしさを知る日本は、核兵器廃絶を声を大に叫び続けていかねばならない▼先だって母県から藤田雄山知事を迎えイナウグラソンを行った広島県人会館(広島文化センター)。ここに一室を設え広島原爆投下時の写真が展示された。ブラジルにおける初の展示室だ。地球の反対側で広島被爆のナマ写真を展示する意義は大きい。「ノー モア ヒロシマ」――。原爆の悲惨さ、愚かさ、人の命の尊さを訴えていくことになるだろう▼核兵器廃絶の唱和者が一人でも多くふえるようであってほしい。   (田)

03/08/06

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