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コラム 樹海

 日本移民九十五周年は幾つかの県人会にとって「県人移住九十五周年」でもある。ブラジル沖縄県人会(宮城調智会長)も数々の記念行事を催した。母県から稲嶺恵一知事夫妻、伊良皆高吉・県会議長はじめ二百人余の慶祝団が来伯、記念式典を華やかに盛り上げた。ウチナーンチュ(沖縄県人)の心意気が未来を明るく描き、人々に深い感動を与えた▼多忙を極める具志堅ルイス大統領府広報局長官が記念式典に顔を見せ、稲嶺知事と会談するなど得難い話題に弾みをつけた。沖縄県人は、祖先を敬い尊ぶ県民性を強く持つ。日本移民のアイデンティティー(帰属意識)について、昨今しきりに論じられているコロニアだが、沖縄県人とその子弟には脈々と続くウチナーンチュ魂がある。この心根が子々孫々に確と受け継がれているのはすばらしい▼稲嶺知事を迎えての催しの一つに『国際女性フォーラム』がある。「教育」をテーマとし、各人の発言内容も格調高く、企画に瑞々しさがみられた。日系コロニアの、しかも県人会単位のこのような女性フォーラムは、それこそ笠戸丸以来初の試みである。九十五年目にしてウチナーンチュが南米において先鞭をつけたことになる。フロンティア・スピリット(開拓精神)発揮の好例だ。女性パワーの逞しさ、発言と説得力の頼もしさを物語る時宜を得た企画として特筆に値しよう▼コロニアの今日あるは女性の〃内助の功〃あったればこそだとの認識を新たにさせられる。   (田)

03/09/03

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