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コラム オーリャ!

 サンパウロ美術館(MASP)といえば印象派絵画の宝庫。売れば美術館をもう一つ建設できるぐらいの価値を持つ作品も珍しくない。
 収蔵品の〝出張〟は頻繁だ。先日もマネの「画家マルセラン・デブタンの肖像」がニューヨーク・メトロポリタン美術館に貸し出されていた。
 企画主任として働く日系二世、保坂ルイスさん(七五)は勤続五十年以上になる。出身はロンドリーナ。「地方では信じられないような品揃えの本屋があった。そこで出会った画集がその後の人生を決めた」と語る。
 五年後の移民百周年には日本の国宝展の開催が予定される。実現すれば九〇年の「東京都富士美術館」展以来の本格的な日本美術展となる。
 地球の反対側から門外不出の至宝の数々がやってくる。将来の夢につながる「出会い」が一つでも多く生まれることを願う。       (大)

03/09/09

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