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コラム オーリャ!

 サンパウロ市南西部のファベーラ、モンチ・アズールを訪ねた。すり鉢状の地形に、五千人がひしめき合うように暮らす。
 サンパウロ市の援助とともに、シュタイナー思想を元にしたNGOが活動している。ファベーラを改善したモデルケースと言えるだろう。
 同NGOによって、職業訓練所、学童保育施設、診療所、四つの幼稚園などの福祉施設が運営され、音楽、演劇、語学教育などの文化活動も盛んだ。ボランティアによれば「ほぼ全家庭に、テレビとコンポ(音響機器)がある」とのこと。
 ブラジル地理統計院(IBGE)によると、ブラジル人の一六%が文盲。「字が読めない人が多いから、本は楽しめない。必然、テレビが中心になる」とボランティアの言葉が思い出された。社会格差の根深さが実感された一日だった。
       (佐)

03/12/05

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