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コラム 樹海

 先週末、日本移民百周年記念祭典協会の理事会が行われ、役員の発表、新たな任命などが行われた。現段階で、これでいいのか、と思ったのは「対日本」のエキスパート的役員のポストがないことである▼もちろん、日本側との折衝は理事長はじめ首脳部が行うだろうが、若干の危うさを覚えるのだ。祭典協会の会議で、日本語での発言がはばかられるほど、ポ語化している現在、そのこと、つまり、言葉の足りなさが意思疎通の支障にならないかと心配する▼言葉だけではない。折衝の仕方といった慣習的なことまで、熟知した人が担ったほうがよりスムースにいくと考えるだけに、対日本折衝役員の設置はおろそかにできない。尤も、「祭典はブラジルの国内行事にとどめる。(日本は相手にせず)祭りにはお客さんとして招く程度」というのであれば、話は別だ▼だが、これまでの日本に対する意識ぶりをみると、そうでもない。記念式典には皇室のご臨席がほしいだろうし、形あるもの、たとえば、ブラジルにおける日本(文化)の殿堂的建築物をつくり、将来に機能を与えようとすれば、日本政府の金銭的援助を仰ぐことになろう▼さきの理事会では、後日、第二書記に「日本語担当」を指名するとのことだったが、これが、単なる日本語文書を扱う〃日本語遣い〃であってはなるまい。「対日本」役員は、あくまで祭典協会を代表して、協会として必要な仕事ができる、しかも日本側をも納得させうる人材でなければならない。(神)

03/12/10

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