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空手道=★極真会館奈良支部の森村謙信さん=日本から武者修行に=「世界一を狙いたい」

1月22日(木)

 第七回全世界空手道選手権大会優勝者フランシスコ・フィーリョ、第八回同大会三位エヴェルトン・テイシェイラなどを輩出した、サンパウロ市にある極真会館リベルダーデ道場(磯部清次代表)―。強さの秘密を覗こうと武者修行に来て、道場の門を叩く日本人(現在三人)はあとをたたない。
 昨年十一月、東京体育館で行なわれた第八回同大会で三回戦に進出した森村謙信さん(二一、奈良県)もその一人だ。十六日から来伯し、百八十センチ、八十八キロが、一日五時間以上の稽古で成長中だ。空手にかける若者の姿を追った。
 「カルナヴァルはいかないっす。多分、ここ(道場)で稽古です」と森村さんは、笑いながら言う。朴訥とした表情の周囲に目を向けると、前腕部とふくらはぎの力強さが際立つ。「自分は受けて返すようなスタイル。もっと攻撃的に、闘争心を出していくようになりたい」と言うが、どっしり構えられると嫌なタイプだろう。関西大学で経済学を学ぶ文武両道の男でもある。
 選手権大会は四年に一度の祭典、森村さんは極真会館奈良支部から出場した。世界六十七カ国、二百四十人の代表たちが、文字通り身を削りながら戦う。森村さんはシンガポールのルーク・ウィン・ファイ選手を五対〇の判定で降し、二回戦でもブラジルのジュリオ・ナシメント選手を三対〇の判定で退けた。三回戦で日本の伊藤慎選手と対戦、激戦の末、体重判定で敗退。しかし、優勝した木山仁選手に対しても「手の届かない所にいる訳ではない」と自分の力を再確認した。
 昨年三月に行われたブラジルでの交流試合で、同道場の「大らかさに惹かれ、磯部師範のところで稽古したい」と心に決めた。十一月の選手権後のお祝い会で、磯部師範に直訴、実現の運びとなった。
 「父親が(空手を)やりたかったが、出来なかったた。だから、息子にさせたかったのでは」と森村さん。三歳の頃に、無理やり道場に連れて行かれての入門。小学二年生の頃から、県大会では連戦連勝。中学生で高校の部に優勝したこともあった。
 「四年後の世界大会で優勝を狙える位置にいたい」と将来を見据える。ブラジルで、三カ月の修行がはじまった。

 

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