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アセルの死活がカギ=ロンドリーナ日系社会に影響大=鈴木理事長ら役員全員留任=新年拝賀式で自覚促す

1月24日(土)

 [パラナ支局、ロンドリーナ]〇四年度アセル(ロンドリーナ文協、鈴木勇理事長)の新年拝賀式が、去る元旦、協会講堂で行われ、アセルの死活はロンドリーナ市日系社会に大きな影響をおよぼす、という認識のもと、役員、会員の協力体制がしっかりしていることこそ肝要、と協力が促された。今期も理事長以下役員は全員留任である。
 午前九時開会。会場正面に日伯両国国旗、鏡餅が供えられ、新年の雰囲気を醸し出した。参会者たちが会場に入ると、互いに新年のあいさつをかわした。土屋雅晴さんが司会して開会の言葉。
 全員が起立して国旗に敬礼、両国国歌を斉唱した。
 鈴木理事長の日本語のあいさつ。「第一回笠戸丸到着以来、今年は九十六年目。笠戸丸移民でただ一人生き残っている中川トミはわたしのソーグラ。みなさまから愛され、励ましの言葉をいただいている。心から感謝申し上げたい。
 〇三年度は内外ともに多事多難な年だった。アセルも会員の高齢化によって、運営が困難な状態になった。今年もまたわたしが理事長を継続してつとめることになったが、この不況を乗り越えるには、みなさまの一層の協力が必要である」。
 来賓の吉井篤氏(ヨシイ建築会社社長)の日語の祝辞は、出席者たちに喜ばれた。「日系人の私たちは、日本人の顔をしているゆえに、どこへ行っても信用される。人はなんといっても、信用を得ることが一番大切である。また人間関係が大事。大会社も小会社も同様に、人間関係が悪いと失敗し、良いと繁栄する。家族でもそういうことがいえる。今年は良い年に恵まれそう。人間関係を大切にして頑張りましょう。きょうのような新年祝賀会という日本の伝統文化を残し続けることを希望する」。
 さらに平間正人さん(平間靖旺評議員会議長代理)は、アセルが難局を打開するには、特に評議員の積極的な活動が重要であるとして、協力を求めた。「アセルの窮状打開の問題は、他地方では、アセルだけの問題でなく、ロンドリーナ市日系社会全般の問題としてとらえられている。アセルの死活は、そのまま地元日系社会への評価につながる」と参会者を励ました。
 加藤喜代子さんは、NHKテレビを通じ、日本の除夜の鐘を聞くことの感慨から、パラナ州開拓神社の建立に言及、間嶋稲花水さんの受勲、歌会始詠進歌の入選にもふれ、祝辞とした。
 拝賀式の最後に「年の始め」を斉唱し,しめくくった。祝賀パーティは、最年長者の成松益男さんの音頭で乾杯。婦人会有志が早出して調理した雑煮がふるまわれた。

 

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