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中南米73農協の活性化=南米日系農協連絡協議会ついに発足=コチアなき後 期待背負い=言語など問題山積み

1月30日(金)

 【既報関連】南米日系農協連絡協議会が、二十八日に第四回日系農協活性化セミナーで発足した。第三回セミナーで国際協力機構・JICAサンパウロ支所の小松雹玄支所長が趣意書を読み上げてから一年。事業活動、正式な会員数も未定と、出足は鈍い。その一方で、コチア産業組合中央会のような、単協統合組織としての役割も期待されている。中南米七十三農協の活性化を図るべく、新たな協議会が産声を上げた。

 同協議会設立案は過去三回のセミナーで日系農協が集まり、意見交換する中で生まれた。「何年越しかの懸案。発足したのは、準備委員会として嬉しい」と中心的な役割を果たした原林平会長(ブラジル農業拓殖協同組合中央会)は喜ぶ。コチア産組中央会、南伯農協中央会が相次いで倒産する中で、単協をまとめる組織出現を望む声が、この協議会を生んだ。
 「協議会は商売をする前段階。まずは、各農協が集まって情報交換の場にしたい」と小松支所長。事業活動の具体案は未定だ。久保田洋史相談役(パラグアイ日系農業協同組合中央会)は「今回は、これからの活動内容を決めるいわば〃土俵〃を作ったような状態」と言い、宗友夫理事長(ピラール・ド・スール南伯農業組合)は「農協間の交流の連絡先的なソフトな役割を持てばいい」と呼びかける。
 幹事会は、九人(アルゼンチン一人、ボリビア一人、パラグアイ一人、ブラジル六人)、年一回の総会はセミナー参加の二十二団体が中心。米倉清治さん(ボリビア・サンファン農牧総合農業協同組合)は「自分の権限では決められない。農協に帰って理事会で決定したい」と足並みは揃わない様子。他団体も、似た声が多く、正式な会員の決定は三月頃にずれ込みそうだ。
 課題も多い。会員の一部からは「もし、JICAさんがセミナーを開いてくれなかったら、我々は集まる事が出来ない」との声があがる。資金の問題から、年一回の総会はJICA頼みの側面が強い。
 また、会員相互の意思疎通をはかる言語問題もある。今回は日本語を通じた討論が繰り返されたが、ポ語のみの会員は沈黙する場面が目立った。「コチア産組のように、大きな頭が上から意見を作るのではなく、(協議会は)下から意見を作っていきたい」と久保田相談役は言う。会員間の交流促進を図るには、言語問題の解決は不可欠だろう。
 満場の拍手で発足した協議会。原会長は「最初の一年で立派な会則を仕上げ、来年の総会で発表できるようにしたい」との構えだ。歩き出した協議会、今後の進展が期待される。
 [事業活動(案)]農協間の各種情報の交換。農協間の相互交流の促進(青年、婦人交流も含む)。日本の機関との技術交流、日本からの専門家の招へい。農協役職員の研修と農業後継者の養成(日本および欧米諸国への派遣)。日本の農協との交流と農業情報の交換。情報誌の発行とホームページの作成。年一回の農協大会(農協セミナー)の開催。日本就労者の帰農希望者に情報を提供する。
 [幹事会]パラグアイ―日系農業協同組合中央会。ボリビア―未定。アルゼンチン―メルコフロール花卉生産者協同組合。ブラジル―トメアス農業協同組合。ジュアゼイロ農業協同組合。南マット・グロッソ農業協同組合。インテグラーダ農業協同組合。サン・ミゲル・アルカンジョ農業協同組合。農拓協。(順不同)。

 

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