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基本テーマサンパウロ市450周年=カルナヴァルだ!=日系色強いパレード=4エスコーラにアーラ

2月6日(金)

 今年は四校ものエスコーラ・デ・サンバ(サンバ学校)で、日系人のアーラ(隊列)が予定されており、例年以上に日系色の強いパレードがサンパウロでは見られそうだ。全てのエスコーラの基本テーマは「サンパウロ市四百五十周年」であるため、移民を各校独自のテーマに織り込むところが多く、自然と日本移民も欠かせない要素としてパレードをにぎわす事になりそうだ。
 今月二十日(金)、二十一日(土)に行われる一部リーグのパレードでは、二つのエスコーラで日系人のアーラがある。翌二十二日(日)の二部リーグ(グルッポ・デ・アセッソ)でも一つ、その下のリーグでも一つ、合わせて四エスコーラで計画されている。
 一部リーグの皮切りとなるのは、二十日午後九時頃にパレードを開始するウニードス・ド・ペルーシェだ。同エスコーラの近くにあるノーヴァ・カショエリンニャ日伯文化体育協会(国井ジェルソン会長)が全面協力する。
 「移民」を通してサンパウロ市の歴史を描く同校のテーマ曲に合わせ、日本人をはじめ、イタリア人、ドイツ人、アラブ人、ユダヤ人、ポルトガル人などを顕彰するアーラが、それぞれ組まれる。日系のそれは約百人を予定しており、国井会長自らが連絡先(電話=11・6239・8283 メール=gersonkunii@ig.com.br)となって募集をしている。
 「男性はハッピ、女性は日本髪のカツラに着物をイメージした衣裳を作っています。みなさん、ぜひ参加してください」と国井さんは呼びかける。
 その他、一部リーグでは昨年惜しくも二位になったモシダーデ・アレグレでも日系のアーラを予定する。二日目の最後から二番目に出場をする予定。テーマは「海を越えて、霧の地へ、良き人々を救いたまえ!」で、やはり各移民のアーラを作る。
 二部リーグでは、二番手のコロラード・ド・ブラスが「お茶の歴史」に絡めてサンパウロの歴史を描くため、日本移民二人が大きく扱われる。
 その一人は、ブラジル紅茶の創始者と言われる岡本寅蔵さん(一八九三―一九八一)。一九三四年に渡伯の途中、セイロン島(現スリランカ)のリプトン会社を訪ね、持ち出し禁止であったにもかかわらず、技師の一人が極秘に七十一粒を岡本さんに渡してくれた。食パンに封入して持ち出し、船中の洗面器の苗床で発芽させた。それをもとにレジストロにお茶の大農場を作ったのは、有名な話だ。
 もう一人は、一九五八年に米国系スタンダードプラウダ社と合弁で製茶工場を設立して、茶業界に貢献した山本周作シャプラス製茶社長。レジストロ文協会長、南聖球連会長などを歴任したことでも知られる。
 さらに下のリーグでも、ソシエダーデ・カショエイラ・インペーリオ・ド・サンバでも日系人のアーラを作ることになっている。
 カルナヴァルにおける日系色の強さは、本場リオにはない、いわばサンパウロの専売特許、とも言えそうな定着振りを見せている。

 

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