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宮城県人会=総会、再度流会ならず=中沢さんを会長に=単一シャッパを承認=新年度事業予算15万レ=活動に新世代取り込む意向

3月 2日(火)

  【既報関連】会員の招集通知に不備があったため、
一月に流会した宮城県人会の定期総会が二月二十九日、ヴィラ・マリアーナ区の北海道協会で開かれた。会員約六十人が出席し、恒例の七夕祭りを含む事業計画や約十五万レアルに及ぶ新年度予算案などが承認された。また、役員改選については唯一、定款による締め切りまでに提出された中沢宏一会長ら現執行部中心の体制が無投票で承認。中沢会長の再選が決まった。一方、開かれた会長選挙を求める「宮城県人会を明るくする会」の佐藤八朗代表らは、定款違反などを理由に総会の無効を申し立て、今後法廷闘争に持ち込む可能性を示唆した。
 一月の総会では、招集通知のポルトガル語に不備があり、会員の報告義務を怠っているとして佐藤代表が流会を求めていた。
 新年度予算案は昨年より約二十万レアル少ない十四万七千五百レアルに決まった。また、ブラジル宮城仙台七夕祭りは六万七千レアルの予算が組まれた。
 紛糾が予想された役員選挙では、議題の冒頭に大橋尚選管委員長が定款による締め切り後に、佐藤代表を中心とする候補者リストが提出された、と出席者に説明。「定款に従えば、このリストは受け付けられないが、委員長の独断では決めかねる」としてこの日に選挙を行うか、延期するかの判断を任せた。
 多数決では佐藤代表ら九人を除く全員が、選挙に賛成、唯一受け取られた中沢会長らの候補者リストが無投票で承認された。
 中沢会長は「ただいまの選挙で今年、来年と会長に選んで頂いた。宮城県人会は新世代への移行が遅れているので十月の会館完成を機に、二、三世を取り込みたい」との豊富を語った。
 また、中沢会長と佐藤代表の双方がお互いの弁護士を同伴させるなど、県人会のお家騒動を招いたことについて中沢会長は、「今日の選挙は法的に何の問題もない。解釈の違いもありもめたが、(佐藤氏らにも)県人会に協力してもらいたい」と関係改善を図る意向を示した。
 中沢会長を中心とする候補者リストが会員には通知されていないことや、佐藤代表が自らを会長とする立候補者リストを事務局に受け取ってもらえなかったことなどから、総会の無効を訴えた佐藤代表は「(会長選挙を定めた)定款第十六条に明らかに反している。裁判に無効を申し立てるかどうかは、弁護士と相談する」と怒りを示した。
 また、この日の定期総会前に開かれた臨時総会では、新民法に沿った定款改正が議題となったが、定款改正に一年間の猶予期間が与えられたため、この日の改正は延期。「今年は新会館も完成するし、新時代の活動にふさわしい定款をじっくり検討したい」と訴える中沢会長に、会員らも賛同した。

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